前回の記事、「“エッグスラット”ってなに!?」では、貧血ぎみの女性にとってうれしい朝ジャガたまご習慣“エッグスラット”というものを紹介しました。今回は、なぜ貧血ぎみの女性にエッグスラットがいいのかを具体的に検証しましょう。

エッグスラットで鉄が1.5mg補える!

(データ:平成24年「国民健康・栄養調査」、日本人の食事摂取基準(2015年版)より)
(データ:平成24年「国民健康・栄養調査」、日本人の食事摂取基準(2015年版)より)

 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で女性(月経あり、30~49歳)の1日の鉄の推定平均必要量は9.0mg。しかし女性の1日鉄摂取量は平均7.3mgで、1.7mg不足している。エッグスラット1個で不足分の9割を補給できるが、これはあくまで不足を回避する目標値。鉄を体内に備えるためには推奨量の10.5mg以上を目指そう。

1日のスタートに必要な糖質がとれる

 朝食でとる糖質は、日中の活動に使うエネルギー源となる重要な栄養素。ジャガイモが含む糖質は、ほかの糖質に比べて吸収が遅く、血糖値の上昇がゆるやかなため、日中に疲れを感じにくい。

血液の材料となる良質なたんぱく質が効率よくとれる

 エッグスラットでは、たんぱく質を構成するアミノ酸20種のうち、体内で合成できない9種類がバランスよくとれる。「卵は良質なたんぱく質のほか、ビタミンC、食物繊維以外の主な栄養素をバランスよく含む“完全食品”。ジャガイモでビタミンCや食物繊維が補えます」(牧野さん)。

1食にとりたい必須アミノ酸量を100%とし、食材別の含有量の割合を比較した。<br> (データ:『日本食品成分表準拠アミノ酸成分表2010』より算出)
1食にとりたい必須アミノ酸量を100%とし、食材別の含有量の割合を比較した。
(データ:『日本食品成分表準拠アミノ酸成分表2010』より算出)
この人たちに聞きました
武者稚枝子院長
稚枝子おおつきクリニック
東京女子医科大学産科婦人科学教室非常勤講師。同医学部・大学院卒業後、青山女性・自然医療研究所などを経て、11年より現職。著書に『自分の体にもっとやさしく~なんだか疲れて、悲しく、虚しい女性たちへ~』(現代書林)。

牧野直子さん
スタジオ食(くう)代表
管理栄養士・料理研究家。女子栄養大学卒業。フリーを経て、04年より現職。生活習慣病予防などの栄養指導を行い、簡単で健康的な家庭料理が好評。食育活動にも尽力。『エネルギー早わかり』(女子栄養大学出版部)ほか著書多数。

日経ヘルス2015年1月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります