すぐに疲れてイライラする、何となくだるい。肌もくすみがちで、つい甘いお菓子に手が伸びる―。こんなことが思い当たるあなたは、鉄不足の“やせ血”タイプの可能性大。LA発の朝食“エッグスラット”で鉄を補給しよう!

 月経がある女性は毎月、鉄を失っている。そのため十分な鉄を摂取すべきだが、国民健康・栄養調査によれば女性の1日の鉄摂取量は、平均7.3mg。鉄不足を予防するための平均必要量の9.0mgに対して約1.7mg不足している。

 稚枝子おおつきクリニックの武者稚枝子院長は、「鉄分が不足すると、貧血症状や慢性的な倦怠感、肌荒れといった不調の原因になる。貧血と診断されていなくても、女性は常に貧血のリスクにさらされている」という。

 そこでお薦めは、鉄を効率よく摂取できる“エッグスラット”。ロサンゼルス発の新メニューで、マッシュポテトの上に卵を落として加熱したものだ。

 卵は1個に約1.0mgの鉄を含む。また、「ジャガイモからは朝食に必要なエネルギー源としての糖質、鉄を体内で吸収しやすいヘム鉄に変えるビタミンCがとれ、貧血ぎみの女性の朝食に向く」と管理栄養士の牧野直子さんはいう。

元祖エッグスラットはこれ!

 ロサンゼルスのビルの一角に、オープンスタンド「エッグスラット」がある。6オンス(約200ml)の瓶にマッシュポテトと生卵を入れ、8~10分ほど湯せんにかけて、仕上げにチャイブ(エゾネギ)と海塩を振るのが“元祖”。値段はバゲット付きで9ドル(約1000円)。「見た目は小さいけれど、満腹になるよ!」(ジェフ氏)。

写真/Justin Sarno
写真/Justin Sarno

 店舗はアルビン・カイラン氏(左)とジェフ・バレス氏(右)が共同経営。「料理学校に通っていたころ、瓶を使ったレシピの課題を出され、大好きな卵を使って作ろうと思ったのが発明のきっかけ」(カイラン氏)。

この人に聞きました
武者稚枝子院長
稚枝子おおつきクリニック
東京女子医科大学産科婦人科学教室非常勤講師。同医学部・大学院卒業後、青山女性・自然医療研究所などを経て、11年より現職。著書に『自分の体にもっとやさしく~なんだか疲れて、悲しく、虚しい女性たちへ~』(現代書林)。

牧野直子さん
スタジオ食(くう)代表
管理栄養士・料理研究家。女子栄養大学卒業。フリーを経て、04年より現職。生活習慣病予防などの栄養指導を行い、簡単で健康的な家庭料理が好評。食育活動にも尽力。『エネルギー早わかり』(女子栄養大学出版部)ほか著書多数。

日経ヘルス2015年1月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります