上司からの意外なアドバイス

 「どうですか? 書けましたか」
 と、上司からメッセージ。
 うう、胃がいたい。
 「3分の2ぐらい書けたと思うんですけど…」
 と返信すると、即座に、
 「じゃあいまから読むんで、メールで送っておいてください」
 ええ? 24時をすぎてるんだけど……。

 すると、原稿を送ってからまだ3分くらいしかたっていないのに、上司から携帯に電話がかかってきた。

 「あ、まだ仕事をしていたんですか?」
 「いや、家でイラストを描いていたよ。会社から徒歩1分のとこに住んでるんだけどね」
 「ええっ? ちょっ……近すぎ……」
 「どれどれ」
 と言いながら、私が途中まで書いた記事を読み始めた。
 「これさ、ちょっときれいにまとまりすぎてるから、もっとヤグチさんのエゴというか、本音を入れてみよう。もう少し“愛”にあふれてていいよ。気持ち悪いくらいでいい」
 「なるほど……」
 「明日、というか今日の9時半に公開だから、朝8時までに完成させられる?」
 う、公開延期とかしないんだ。
 「はい……やってみます」

 こうしてなんとか完成した私の記事は、こんな文章で締めくくられている。