「何のために働いているのかわからない」。そんな悩みを抱えているこじらせOLが、ふとしたきっかけから自分の「夢」に気づき、自分の生き方を大きく変えた――。そんなストーリーの小説『言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話』を、本連載「才能がない人の夢のかなえ方」としてお送りしていきます。前回、誰にも言えなかった趣味について上司に打ち明けたヤグチでしたが…。

著者からのメッセージ:本連載の前書き「副業が会社バレ ピンチ、異動、そして夢が近づいた話」
第一回:お給料のためだけに働くOL、夢について考える
第二回:夢ナシ契約社員 異動先で「あなたの夢は?」と聞かれて
第三回:好きを仕事に…人に言えない趣味も仕事にできるのか?

【第四回】マニアックな私のこだわり

 実は私、死ぬほど「2.5次元ミュージカル」が好きなのだ。オタクなのだ。

 中学生のときにアニメにハマり、声優のイベントにも足しげく通った。それから、自分が好きなアニメを原作にしたミュージカルを観て、その輝きに衝撃を受けた。
 今では、同じ公演を初日と千秋楽を含めて5回は見る。グッズも買えるだけ買う。
 でも、マニアックすぎて、特に男の人には理解されない。以前、合コンで、うかつにもこの話をして、大失敗した経験がある。
 もし、「2.5次元ミュージカル」について書けるなら、もう会社をクビになってもいいや。どうせ、自分には合っていないところだし。
 そうだ。どうせなら、最後に好き放題やって、辞めよう。
 そう思ったら、なんだかすらすらと原稿が書けてしまった。まるでツイッターにでも書いているみたいに楽しかった。
 窓の外には、大きな満月が見えた。