「何のために働いているのかわからない」。そんな悩みを抱えているこじらせOLが、ふとしたきっかけから自分の「夢」に気づき、自分の生き方を大きく変えた――。そんなストーリーの小説『言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話』を、本連載「才能がない人の夢のかなえ方」としてお送りしていきます。前回、上司から「好きなこと」を聞かれてタロット占いと答えた主人公のヤグチでしたが…。

著者からのメッセージ:本連載の前書き「副業が会社バレ ピンチ、異動、そして夢が近づいた話」
第一回:お給料のためだけに働くOL、夢について考える
第二回:夢ナシ契約社員 異動先で「あなたの夢は?」と聞かれて

【第三回】本当に好きなものとは

 どう考えてもおかしい。
 サイトにのせるなら、ニュースとか、自社のサービスへ誘導する記事とか、有名人のインタビューとか、そういうものじゃないのか?
 どうして私が……タロット占いについて会社のサイトに書くのだろうか。
 謎だったけれども、なんとか3つほど企画を考えて、次の打ち合わせに持って行った。

 「考えてきてくれてありがとう。さっそく見てみるよ。どれどれ……」
 相変わらず、メガネの向こうにある目からは、何を考えているのか読み取れない。

 「うーん……」

 いきなり考え込んだかと思うと、きっぱりこう言った。
 「ヤグチさんてさ、ほんとに占いが好き?」
 「えっ? チーフって、占いにくわしいんですか」
 「そうじゃないけど、なんとなくこの企画には、あんまり命が懸かってない気がするんだよね……」

 命が懸かっていない……? 少年マンガのセリフか!