途方もない夢を見たほうがいい理由とは

 僕は、「夢は荒唐無稽なほどよい」と思っています。なぜなら、ごく普通の夢だと、すぐにかなってしまうからです。

「夢のために、洋服は最小限にする」と決めたせいでアウトドア用の服がなくなり、スーツでバーベキューに行ったことも……
「夢のために、洋服は最小限にする」と決めたせいでアウトドア用の服がなくなり、スーツでバーベキューに行ったことも……

 例えば、「あこがれのタレントに会いたい」という夢を持つ人がいたとします。その人の夢は、おそらく簡単にかなってしまうでしょう。自分が関わっている仕事で、そのタレントさんをキャンペーンに起用するとか、タレントさんが出席するイベントの手伝いをするとか、そういった機会は意外とあっさり訪れます。

 もし夢がかなってしまったら、その人は残りの人生をどうすごせばいいのでしょうか?

 だったら、そう簡単にはかなわない夢を掲げたほうがいいのです。先程の例ならば、「あこがれのタレントを起用する映画の脚本を自分が書く」とか。

 今の自分からはるか遠くに目標を置き、その実現に近づくために努力をする。そうすれば、仕事の仕方や日常のさまざまなことでも、迷いがなくなります。

 目の前にある仕事をどのようにやれば、夢に近づけるか。

 朝、起きて、何を食べて、何を着れば、夢に近づけるか。

 そんなことが自ずとわかるようになるのです。

 もちろん、夢がかなわないことだってたくさんあります。それでも僕は、何も夢を見ない生き方よりは豊かになるように思えるのです。