「使う」編

5. 円安の今は“国内”に目を向けるべし!
一時期の円高状態から一転、今は円安の方向に向かい、ワインなどの輸入品が値上がりし、海外旅行が割高に…。しかし一方でいいことも! 国産品や国内旅行が相対的におトクになっているので、今こそ日本ブランドを楽しもう

6. 8%増税後の在庫余剰で家電は「買い」
消費税が8%にアップした影響で、4月以降は家電の売り上げが下がり、在庫がかなり多くなっている状態。「これまで値下げしていなかった海外の高級掃除機が底値になるなど、家電が相対的に安くなっています」(藤川さん)

7. 出費が増えそうな今、“替え活”に注目!
物価上昇に消費増税と出費が増えている今、ぜひ取り入れたいのが“替え活” !「これまで購入していた商品を別の商品に代替することで、消費の質や量を落とさずに節約できます」(節約アドバイザーでFPの丸山晴美さん)

8. “新型”登場!電子マネーでおトクが普及
消費増税で普及が加速した電子マネー。クレカのように使えるKDDIの「au WALLET」など新型も登場。チャージ時にポイントが付与されるなど、現金払いにない魅力があり、au WALLETは開始3カ月で500万ユーザーを獲得

9. 「なんでもクレカ決済」でポイントゲット
買い物をするとポイントが付くメリットがあるクレジットカード。スマートフォンを使って、いつでもどこででもクレジットカード決済ができる「Square」や「Coiney」などの端末が登場し、ますますポイントが貯めやすい環境に!

10. 来秋10%なら住宅購入は15年3月末までに
都心部を中心に不動産価格が上昇中だが、「消費税が10%になる可能性も念頭に置いて購入時期を見極めて」(藤川さん)。15年10月にアップする場合、15年3月末までの契約であれば、引き渡しが10月以降でも消費税は8%のまま

「ふやす」編

11. 投資を始めたいなら今すぐ&少しずつがおすすめ
投資でお金をふやすなら、早めのスタートがおすすめ。「数年は株高・円安が進む可能性が高く、リターンが狙いやすい状況。ただし金融緩和政策が終わると、数年内に景気が悪化する可能性が高いことを、常に意識して」(藤川さん)

12. 少額の投資ならNISAの活用が前提
節税のメリットがある一方で、損益通算できないなどのデメリットもあるNISA(少額投資非課税制度)。「リターンを得やすい今は、NISA口座がおトク。投資初心者は、少額でできる投資信託の積み立てがおすすめです」(藤川さん)

KEYWORD/「NISA」
個人投資家向けの税制優遇制度。NISA口座を通じて新規購入した株式や投資信託から得た譲渡益や配当が、5年間非課税で受け取れる。投資枠は年間100万円まで。1人1口座しか開設できない

13. 優待銘柄は企業の業績にも注目すべし!
日本株は「優待ブーム」が来ている。「実は人気の優待株は、ブームを受けて値上がり傾向にあります。なかには業績以上に割高になっている株も」(丸山さん)。投資する際には優待内容だけでなく、業績などの企業情報もチェックして!

14. 初心者は「インデックス型の投資信託」がおすすめ
景気が上向いている今、「投資初心者は個別株よりも、リスクが低い日本株インデックス連動型の投資信託から始めるといいでしょう。ただし景気悪化の可能性も忘れずに、経済動向はマメに確認しましょう」(藤川さん)

この人たちに聞きました
藤川 太
藤川 太さん
FP
「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり、1万5000を超える世帯の家計の見直しを行う。資産運用、家計管理などに精通し、「普通の人」でもお金を貯める・ふやせる方法をアドバイスしている。『小遣いは削るな!』(サンマーク出版)など著書多数

井戸美枝
井戸美枝さん
社会保険労務士、FP
生活に身近な経済問題や、年金や社会保障問題などについてアドバイスする。13年から厚労省・社会保障審議会・企業年金部会委員も務める。著書に『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新聞社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)などど

丸山晴美
丸山晴美さん
FP
消費生活アドバイザー。旅行会社、コンビニ店長などを経て独立。ケチではない楽しい節約をモットーに、身の回りの節約術を指導している。「すごくわかりやすい!お金の基本」(宝島社)、「誰でもすぐできる年間100万円トクする本」など著書多数(宝島社)

取材・文/中尾美香

※金利などの情報は14年10月24日時点のもの

※日経WOMAN2014年12月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります