基本の黒豆茶
「黒豆は一晩水に漬けておいてから煮るんだよね」と、帰って来て豆をザッと洗い、鍋で水に漬けておいた。
翌日、漬け汁をすくってみると、もう綺麗な赤紫色になっている。豆は蒸したピーナツぐらいの固さで、このまま食べられなくもない感じだ。
で、このときに気がついたのだが、記事の「作り方」のところに「用意するもの:黒豆250g、水:1500ml」って書いてあった! そもそも黒豆の量が足りないし、水も目分量だったから、どのくらい入れたかわからない。漬け汁を計るとして、豆が吸った分はどうすればいいんだろう?? もうしょうがないので、ふやけた200g分の豆+漬け汁1000mlでとりあえずやってみた。
まず加熱すると煮汁の色がぐっと濃くなる。沸騰させると白いブクブクがいっぱい出てくるのだが、煮豆と違って、これはすくわない。あのブクブクって大豆に含まれるサポニンで、抗酸化力が強い成分だから、捨てたらもったいないんだって。知らなかったぁ。
沸騰してから火を弱め、5分ほど煮出したら、もう「日ヘル」本誌に載っているようないい色になった。ザルで豆本体を分離しつつ、アツアツの煮汁「黒豆茶」を飲んでみた。おいしぃぃぃぃ! 体にスルッと入っていく感じで、豆臭さは気にならない。味は全く付けていないのだが、うまみが強くてびっくりだ。
液体の方はクーラーポットに入れて冷蔵庫保管。飲むときにはチンして、すぐに体がポカポカしてくる。そうだな、普通のパンツの下にスパッツを履いたぐらいの感じで脚から足へポカポカが広がっていく感じ。「毎日飲んで体質改善」とかじゃなく、けっこう即効性を感じると思う。
今回は脇役になってしまった豆の方は、水を変えて二番煎じをとる。最初ほど味は濃くないが、色はかなり濃く出るのよ。つまり、まだまだポリフェノールたっぷりだ。実は、二番煎じをとると、豆がしっかり軟らかくなるので、そのまま食べるのにちょうどいい。うちではジャーで黒蜜やハチミツ漬けにしてお茶菓子風に食べている。味付けなしで冷凍しておいて、炊き立てのご飯にサッと混ぜる黒豆ご飯もおいしいよ。
で、そんなこんなしているうちに、我が家の黒豆奉行が帰ってきた。
「やだ、あんな良い黒豆、黒豆茶にしちゃったの? ぜいたくなっ! お茶なんか安い黒豆で十分なのよ。あああ~煮たらツヤッツヤな絶品黒豆になっただろうなぁ」
年末は普通のスーパーでもお手頃から高級まで、黒豆の種類が増えて選びやすい時期。1日3~5杯飲むことを考えてお財布と相談しながら良い豆を選ぼう。
おいしい度 ★★★
ヘルシー度 ★★★★
黒豆奉行に飲ませたい度 ★★★★
くわしくは『日経ヘルス』2017年1月号 P122「黒豆茶 色のパワーで老化を予防 血流を促し、冷えも解消」を読んでね。
後日談:黒豆と一緒に買ったオーガニックの黒豆茶ティーバッグ。書いてある通りに熱湯を注いだんだけど、今回煮出した黒豆のようには全然色が濃くならなかった。なにコレ、大豆色? 味はとっても「福は内」な感じ。パックを透かして見たら、豆が「ひきわり納豆」みたいに細かく砕いてあった。もらったお茶は、煎った黒豆が丸のまま10個ぐらい入っていたからなぁ。市販の黒豆茶もいろいろなタイプがあるみたい。ティーバッグ派も、「理想の黒豆茶」に出合うまで頑張ろう!
文・写真/竹島ぽてち