台湾グルメの中でも名店が軒を連ね、種類も多い麺料理。シンプルな味わいで日本人にもなじみやすいが、日本ではなかなか食べる機会がないという人も多いだろう。ファストフード感覚で食べられる麺料理店をご紹介!

国民食の代表格が日本上陸! 漢方スープの牛肉麺

 台湾名物「牛肉麺(ニューロウメン)」をご存じだろうか。醤油ベースのスープに、柔らかく煮込まれた牛肉が入っている麺料理だ。台湾最大の牛肉麺チェーン店として、150店舗以上を展開している「三商巧福(サンショウコウフク)」が日本1号店として、昨年の11月、東京・赤坂にオープンした。

人気NO.1メニューの「台湾牛肉麺」(630円)。無料で提供される高菜や豆板醤を加えて、自分好みの味にカスタマイズできる。
人気NO.1メニューの「台湾牛肉麺」(630円)。無料で提供される高菜や豆板醤を加えて、自分好みの味にカスタマイズできる。

 台湾で年間1500万食以上もの実績を誇る牛肉麺。牛肉、青梗菜、茹で卵などがトッピングされている。醤油ベースのスープにふわりと漂ってくる八角などの漢方が台湾ならでは。特製の平白麺は、台湾レシピに基づき日本で製麺している。モチモチつるんとした食感がたまらない。一部の食材は台湾から輸入しているが、日本国内で調達しているものもあるので、若干のレシピ変更はあるものの製法は台湾と変わらないという。見た目はこってり見えるが、さっぱりとしていて食べやすい。

台湾好きはこのオレンジの看板にテンションが上がる。ビジネス街にあり、平日はサラリーマンやOL、休日には在日台湾人の家族連れの利用も多いという。
台湾好きはこのオレンジの看板にテンションが上がる。ビジネス街にあり、平日はサラリーマンやOL、休日には在日台湾人の家族連れの利用も多いという。

 メニューには、本家では提供していないアルコールや台湾小皿料理も多い。「台湾オムレツ」や「青葉の豚ミンチかけ」などがあり、9月からは秋の特選メニューとして、台湾もちや台湾風おでんも登場した。「昼は国民食の牛肉麺を中心に、また夜は気軽に立ち寄ってお酒を楽しむ“ちょい飲み”が出来る店として、昼夜問わず愛されるお店を目指します」と赤坂店店長の鈴木悠翔さん。オープン当初は男性客が多かったが、女性客の比率も高くなっているという。9月には下高井戸店がオープンしたばかり。こちらは商店街に位置しており、ファミリー層にも楽しんでもらえそうだ。

台湾グルメのあの麺が日本で食べられる! ヘルシー「台湾麺線」

 台湾好きが足繁く通う店がある。東京・新橋の「台湾麺線(タイワンメンセン)」だ。昨年の虎の門でのオープン時から「とうとうあの麺が日本に初上陸するぞ!」と話題になった。店舗はすぐに移転したが、今も北海道や福岡など全国から客が押し寄せている。

そうめんよりも細く短めに切られた麺が“麺線”。箸ではなく、レンゲで食べるのが現地っぽい。
そうめんよりも細く短めに切られた麺が“麺線”。箸ではなく、レンゲで食べるのが現地っぽい。

 店舗名と同じメニュー名の「台湾麺線」(600円ランチ時は税込)は、台湾独特の手延べ素麺を蒸した細い麺だ。まさに台湾のソウルフード! 地方それぞれの味に特徴があるが、台湾全土で愛されている。日本人にもなじみがあるカツオ出汁をふんだんに利かせていて、香りがたまらない。具材にはモツが入っているのも特徴的だ。女性に注目してほしいのが、低カロリーであること。1杯で225kcalというからこれは食べねば。

 麺線は、台湾でも行列が絶えない人気店「阿宗麺線」と同じ麺を使用しているのも台湾通に愛されるポイントだろう。現地でも機械化が進む麺製造の中で、数少ない人の手で麺生地を伸ばして天日干しさせる貴重な麺。部分によって細さが微妙に異なっているのもお手製の証拠だ。現地の某老舗工場から1トンもの量を輸入している。オーナーの林千笑さんが、台湾で食べた麺線に惚れ「日本でまだ食べられる店がほとんどなかった麺線を日本でも広げたい」と思いを募らせたのだ。当初は「日本への輸入は不可能!」と断られながらも交渉を重ねて夢を実現させた。実は、先にお伝えした「彩茶房」の麺線も同店から仕入れている。やはり麺線には、“この麺”というほどに究極の麺なのだ。

 麺線以外にも、魯肉飯や台湾ビールなど、ここは台湾かと思われるほどにメニューも豊富。10月末までは「薬膳火鍋」も提供されているので、ぜひ足を運んでみてほしい。

 日本からも近い台湾を身近で感じられる人気グルメばかりなので、台湾旅行の予習や復習にもよさそう。これからも台湾フードに注目だ。

取材・文=GreenCreate