ランディは、マリアが故郷のオーストリア政府を相手に、現在はウィーンのベルベデーレ美術館が所蔵する名画の返還を求めていると知って驚きます。正式名称「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」というその絵は、クリムトが1907年に描いたもので、世界で最も高額な絵画TOP10に入る傑作だったのです。

マリアの叔母アデーレをモデルに傑作を生み出したクリムト。
マリアの叔母アデーレをモデルに傑作を生み出したクリムト。

 第二次世界大戦中、夫と共にアメリカに亡命したマリア。彼女は、ナチスによって大切なものを全て奪われたつらい思い出のある祖国に二度と戻らないつもりでしたが、ライアンの協力のもと訴えを起こすことになり、オーストリアに向けて過去と向き合う旅に出る決意をします……。

オーストリア政府を相手に戦うために資料を調べるマリアとランディ。
オーストリア政府を相手に戦うために資料を調べるマリアとランディ。
マリアに勝ち目はあるのか……?
マリアに勝ち目はあるのか……?

 “オーストリアのモナリザ”と称えられ、国の美術館に飾られてきた名画・通称「黄金のアデーレ」を、1人の女性が「私に返してください」という驚きの要求をしたことで始まった裁判のニュースは、世界を仰天させました。オーストリア政府が真っ向から反論する中、駆け出しの弁護士ランディ、そしてマリアはどのように戦ったのでしょうか?

 巨大な相手を前にしてもひるむことのなかったマリアから勇気をもらえる映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」。なぜ彼女がここまで戦えたのか、ぜひ本作をご覧になってみてください!