こんにちは。「女子による女子のための映画DVDガイド」連載の映画ライター・清水久美子です。

 過去の栄光。「以前はあんなに輝いていたのに」とか、「素晴らしい実績を手にしたはずなのに」など、いつまでも忘れられず、ついしがみついてしまう。過去の栄光を忘れられないのは、現在がうまくいっていないからですよね。でも、いくら過去に栄光があっても、後ろばかりを向いてはいられません。

 今回紹介する映画は、アカデミー賞の脚本賞を受賞した主人公が、その後ヒット作に恵まれず、全く仕事がない状態から再スタートしようとする、自分探しの物語「Re:LIFE~リライフ~」です。

「Re:LIFE~リライフ~」
11月20日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
(C) 2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
配給:キノフィルムズ

公式サイト:http://www.relife-movie.com/

 15年前にオスカーを手にした脚本家のキース・マイケルズ(ヒュー・グラント)。一夜にして名声を手に入れたものの、ほかにヒット作を生み出すことができないキースは、一発屋として転落してしまいます。しかも妻には逃げられ、一人息子とも会えないキースは、金欠で電気まで止められる始末。

 エージェントに何でもいいから仕事がほしいと頼んだところ、ニューヨーク州・北部の田舎町にあるビンガムトン大学のシナリオコースの講師の仕事を紹介されます。過去の栄光を忘れられないキースは、いくらなんでも田舎で教鞭を執るなんてと憤慨しますが、お金がないのだから仕方がありません。

講師の仕事を渋々引き受けるキース。
講師の仕事を渋々引き受けるキース。

 ビンガムトン大学で働き始めたキースは、懇親会では酔っ払って女性教授ウェルドン(アリソン・ジャネイ)に暴言を吐いたり、自分のクラスは好みのタイプの女子学生で構成しようとしたり、生徒の1人・カレン(ベラ・ヒースコート)と関係を持ったりとやりたい放題。学科長のラーナー(J・K・シモンズ)からは、このままだと倫理委員長でもあるウェルドンにクビにされると忠告を受けます。

キースは好みの女子とイケてない男子を集めてクラスを構成。
キースは好みの女子とイケてない男子を集めてクラスを構成。