つるの剛士
1975年5月26日生まれ、福岡県出身。1997年、「ウルトラマンダイナ」の主人公・アスカ隊員役を演じて人気を呼ぶ。その後、バラエティー番組にも進出し、2008年に結成したユニット「羞恥心」で大ブレーク。2009年にカバーアルバム「つるのうた」をリリースし、2015年にはアルバム「つるのうた3」を発表するなど、精力的に音楽活動を行う。一男三女の父親で、“イクメン”としても知られる。趣味の将棋・釣り・サーフィン・野菜作りは“玄人はだし”で、専門番組や雑誌に出演するほどの腕前を持つ。主な出演作に、映画「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち」「ウルトラマンサーガ」「トワイライト ささらさや」、TVドラマ「アタシんちの男子」「名前をなくした女神」などがある。
スタイリスト:佐藤慶明(go ahead)
衣裳協力:KINGLY MASK(03-3423-3323)
ケニア・ドイ
1972年生まれ、兵庫県神戸市出身。1995年、大学卒業後に上京。フォトスタジオ勤務を経て、コマーシャルスタジオで契約カメラマンとして活動。2001年よりフリーランスのカメラマンとして独立。アーティスト撮影や犬猫写真家として活躍。2009年に「ケニア・ドイのネコブログ」を開始。ファースト写真集に『ぽちゃ猫ワンダー』(河出書房新社)がある。2016年1月23日、写真集『じゃまねこ』(マイナビ出版)を発売予定。映画「猫なんかよんでもこない。」のオフィシャル写真撮影を担当。
公式ホームページ:http://kenyadoi.com/
Twitterアカウント:@Kenya_DOI

――「猫なんかよんでもこない。」を拝見し、観ている間ずっと、猫のかわいらしさに顔が緩みっぱなしになりました! 疲れた心を癒やしてくれるような映画でした。おニ人は猫好きだそうですが、完成した映画を観て、いかがでしたか?

つるの「そうですね、この映画は西武線沿いで撮影したんですが、そこは特別な場所じゃなく、ごく普通の生活の空気を感じられるところだったんですね。日常の中で起きているドラマという雰囲気が、観る方にも伝わる映画だと思いました。映画の世界観にスッと入っていける作品なんじゃないかな。猫好きはもちろん楽しめますし、猫好きじゃない方でも、本作を観たら猫を好きになってもらえると思います。猫を飼ったことがある人は、『あぁ、分かる、分かる!』と共感するだろうし。主人公のミツオの成長期でもあり、人間ドラマでもあるので、幅広い層の方々に観ていただきたい作品だと思いました」

ケニア「すごく良い映画だなと思いました。本作を観れば、誰でも猫を育てられるようになるんじゃないかな。猫の飼い方がよく分かる内容になっていますね。すごいと思ったのは、子猫を自然に撮っているところ! 子猫は言うことなんて全然聞かないから、撮るのはものすごく大変なのに、大変さを感じさせないんですよね。ストーリーも映像も含め、勇気をもらえる作品だと思いました」

――つるのさんは、「猫を拾ってきそう」というイメージでキャスティングされたと聞きました。映画の中で、2匹の猫を抱えて「拾った」という場面がすごくしっくりきたのですが、捨て猫の前を素通りできないタイプでしょうか!?

つるの「実際に拾ってきたことがあるので、この映画のお話が来た時に『うわ、バレてた!?』って思いました(笑)。猫だけじゃなく、コウモリやトカゲも拾ってきて、飼ったことがあります」

――動物全般がお好きなんですね(笑)。つるのさんは犬も飼っているそうですが、いろんなペットがいる中で、猫の魅力はどこにあると思いますか?

つるの「犬と猫って、まるでキャラクターが違いますよね。犬はどちらかと言うと前向きで、悪いことがあっても、翌日には元気に僕のところにやって来ます。でも猫は一度いやなことがあると、それを気にして生活している感じなんです。犬は常に愛情を注いでいないと、遊んで遊んでとせがむけど、猫は自分の世界を持っているから、いい距離を保って付き合える。ツンデレなところも、僕は好きですね。人間に例えると、猫みたいな人の方が付き合いやすい気がします」

――ケニアさんはいかがですか?

ケニア「そうですね、どうにもできないところが猫の魅力だと思います。映画のタイトル通り、呼んでも来ないけど、来てほしくない時には来たりとか。そこがまた面白いというか、やっぱりかわいいんですよね。僕もツンデレが好きですね」

――今、猫は大ブームですよね。映画やTVドラマやCM出演も非常に多くなって、ブームだということにも注目が集まっています。なぜ今、こんなに猫ブームなのか、猫好きのおニ人の意見をお聞きしたいです。

つるの「みなさん、忙しい毎日を送っていますよね。みんな働きに出ていて、家に誰もいないというところも少なくないと思います。犬は留守番させるのが難しいというか、すごく悲しい目をするから、置いて出にくいんですが、猫は飼い主が出かけて、帰ってきても『あ、帰ってきたんだ、へぇ』みたいな感じなんですよね(笑)。でも、たまに玄関で出迎えてくれて、ニャーッて鳴いてくれたりするんですよ。そんな猫との距離感が、この時代に合っているんだと思います。忙しい人でも飼える。て言うか、猫も猫なりに忙しいですからね(笑)」

ケニア「法改正で、犬のブリーダーさんが登録制になってから、その仕事を辞める人が増えたために、子犬を作る人が少なくなったんです。それで犬の数が減ったのですが、猫は増えている。それが関係していると思います。あとは住環境の問題ですね。マンション暮らしだと、やはり犬よりも猫の方が飼いやすい。犬を飼う人は、一戸建てで飼いたいと思う人が多いんじゃないでしょうか」

――なるほど! おニ人とも、さすがに鋭い分析ですね。先ほど、つるのさんは「猫みたいな人は付き合いやすい」とおっしゃっていましたが、最近は猫だけじゃなく、“猫好き男子”にも注目が集まっていて、モテているそうです。猫好き男子って、どんな男性でしょうか?

ケニア「僕は、猫好き男子と言うからには、猫を飼っていなければ認めません」

――ただ好きなだけじゃダメと。

ケニア「そう、それだとハヤリに乗っかっているだけです」

――ちゃんと猫を飼っていて、猫好き男子と呼ばれる人は、どんな性格の人でしょうか?

つるの「ちょっと、どこか変わっているような、陰のある人かなぁ。猫好きな人って、ちょっと普通じゃないというか、なかなか絡みづらいというか。『そういうところが猫みたいで好き』って言われるのかな」

ケニア「猫好き男子のイメージは、おしゃれに暮らしていて、外車に乗っているお金持ちという感じですね」

つるの「自分の世界を持っていて、相手にあまり干渉しないとかね」

――簡単には猫好き男子と名乗れませんね(笑)。つるのさんは猫好き男子ですが、犬好き男子でもあるんですよね。

つるの「僕、以前はスーパー猫派だったんです。犬を飼うまではね。犬ってすごくかわいいし、飼いやすいし、つい写真を見せて自慢したくなる(笑)。今は両方派です」

――ケニアさんは完全猫派ですか?

ケニア「実は、実家では犬しか飼ったことがなかったんですが、結婚を機に、ヨメが飼っていた猫を2匹連れてきたので、そこから猫にハマりました(笑)」

つるの「一度猫を飼うと、ハマりますよね。映画の中で、ミツオもそうなんですが、猫を飼い出すと生活が全部、猫中心になる。僕はミツオを見ていて、あの感じがすごくよく分かると思いました。ミツオにとって、猫はすごく支えになっているし、猫から勇気ももらっている。猫が自然に生活の一部となっているんだけど、重要な存在なんですよね。やっぱり猫の存在感ってすごいと思う」

――なんだか、すごく猫が飼いたくなってきました! ケニアさんにお聞きしたいのですが、猫の写真を上手に撮る方法をちょっとだけ教えていただけませんか?

つるの「あっ、それ俺も知りたい!」

ケニア「よく観察することですね。すぐには撮らないで、しばらく様子を見る。一歩ずつ一歩ずつ、ちょっとずつ距離を詰めていって撮るというやり方がいいです」

――ありがとうございます! では最後に、おニ人に質問です。人生を楽しむコツとは何でしょうか?

つるの「そうですね、人生は1回きりだから、時間を無駄にせず、いろいろなことをやりたいと思っています。興味を持ったことは全部やる。ダメならダメで、すぐやめればいいし。やりたいことは、トライしてみるのがいいと思います。そうすることで、自分に役立ってくることもあるんじゃないかな」

ケニア「人生を楽しむコツというのとは違うかもしれないけど、僕は好きなことをして、お金を稼いでいるので、本当に楽しいです。猫の写真を撮っていると、ストレスがないんです。だから、猫で稼いだお金は猫に返せるように、猫に関係したボランティア活動をするようにしています」

文/清水久美子、撮影/小野さやか