抜き続けたら眉毛が生えなくなった人は?

 眉毛のケアも、基本的にはまつ毛と同じ。根元から美容液(あれば眉毛美容液を。なければまつ毛美容液でも代用可)を塗りましょう。

 若い頃から、眉毛を頻繁に抜き続けた結果、眉毛が生えてこなくなってしまった人も、諦めずにケアをすれば、また生えてくる可能性もあるそうです。

 「毛抜きで抜くことで毛母細胞を傷つけてしまうと、毛根が休止してしまい、生えてこなくなることがあります。しかし、日経ウーマンオンライン世代の皆さんは毛根が死んでしまったわけではないことがほとんどなので、刺激して育ててあげればまた生えてくる可能性が高いです。

 眉毛が生えなくなってしまった部分にも美容液を塗り、ブラシで軽くなぞるようにブラッシングして刺激を与えて毛根を活性化させてあげましょう」

パソコン作業で血流が低下 まつ毛にも悪影響?

 毛の成長を促すには、体の隅々まで栄養を運ぶために血流をよくすることが大切です。しかし、長時間のデスクワークは血流の低下を招いてしまう可能性も。

 「肩凝りで血流が低下してしまうのはもちろん、長時間のパソコン作業で目の緊張が続くと交感神経が優位になり、血管が収縮します。特に、目周りの血管はとても微細なので、血流の低下の影響が出やすい部分です。血流を促すケアを取り入れるのがおすすめです」

「温」「冷」で目元の血行促進を

 血管は温めると拡張し、冷やすと収縮するので、これを交互に繰り返すことで血行を促し、血流をよくします。ホットタオルや保冷材などを活用すると便利でしょう。疲れ目を感じたときには冷やすのが効果的です。寒い季節は、目元を温めればその後自然に冷えるので、温めるだけでもOK。老廃物を流す効果もあり、目元のむくみ軽減にもおすすめです。

目の周りをツボ押し

 眉毛の上や、眼窩(がんか/眼球を取り囲む骨)、眉間や鼻の付け根など、「イタ気持ちいい」と感じる部分を、指の腹で押して離すだけでも血流が促されます。ただし、眼球は絶対に押さないように注意してください。

クリニックでのまつ毛治療は

 聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実は、緑内障の治療に使う目薬で、まつ毛は伸びます。

 緑内障治療で使う点眼薬の作用により、まつ毛が濃く長くなることから、それと同様の成分を配合して開発されたのが、医療用のまつ毛育毛剤「グラッシュビスタ」。

 睫毛(しょうもう)貧毛治療薬(まつ毛貧毛症治療薬)として、国内初かつ唯一、厚生労働省から承認された医薬品で、市販のまつ毛育毛剤と異なり、医師の診察の下で処方されます。まつ毛への効果は目に見えやすく、ほとんどの人が約16週間で実感を得られるそうです。

 次回は、まつ毛美容液も使いながら、正しいまつ毛のケアを編集部スタッフが実践した体験レポートと、編集部おすすめのまつ毛&眉毛美容液を紹介します。

文/中島夕子 写真/PIXTA

プロフィール
片桐 衣理
片桐 衣理(かたぎり えり)
衣理クリニック表参道 院長。美容皮膚科・内科医。日本内科学会・日本美容学会・日本抗加齢学会評議員。体の内外両面からのアプローチで美と健康の両立を目指すパートナードクターとして、国内外の著名人からも信頼が厚いアンチエイジング治療の専門医。