自分なりのルールで「簡易版・伊庭式バーチカル」を実践

 スケジューリングのプロ・伊庭さんに教えていただいたポイントで、私が絶対に守ろうと決めた項目は4つだけ。

【伊庭式バーチカルのポイント(抜粋)】
(1)出社時間と退社時間に「線を引く」
(2)予定は終了時刻まで見積もり、「四角で囲む」
(3)先々のことで思い付いたことは、「その日付の近くに」メモする
(4)本当の締め切りと、前倒した「マイ締め切り」を書く

 まずはこの4つに集中して、手帳を使う習慣を身に付けようと思いました。

 とはいえ、昨日までグーグルカレンダーで全スケジュールを管理していたので、予定が入るとスマホでアプリを開こうとする癖がなかなか抜けません。恐るべし、スマホの手軽さ……。最初のうちはついスマホに予定を入れてしまい、手帳とスマホを見比べて抜け漏れやダブりがないか確認することも。

 「これならグーグルカレンダーでよかったな」と思うこともしばしば。とにかく予定が入ったら手帳を開くようにし、タスクをスケジュールに組み込む作業は、週末に翌週分のタスクをまとめて書き出すことにして、何とか1カ月を過ごしました。

 そうして出来上がってきた私の伊庭式バーチカル。1カ月間かけて実感したのは、物理的な視界の広さです。1日を縦のラインで見ても、1週間を横軸で見ても、スマホより圧倒的に視界が広い。当たり前のことなのですが、この「スケジュールを見渡せる広さ」と仕事の視野が私の場合ほぼ直結しているようで、ぱっと見える範囲が広がることの重要性を改めて痛感したのでした。

見開きで見渡せる物理的な「広さ」がこんなに違う
見開きで見渡せる物理的な「広さ」がこんなに違う

実践したら、思わぬ壁が待っていた

 なかなか順調かと思いきや、問題はある日突然発生しました。手帳に真っ白なページが現れたのです。

 原因は分かっていました。「きれいに書きたい病」です。

【「きれいに書きたい病」で手帳が真っ白になるまで】
予定をきれいに書き込むと手帳が見やすくなり、達成感がある
 ↓
「次の週もきれいに書こう」と思う
 ↓
出先でアポのメールや電話が入る
 ↓
きれいに書きたいから手帳を開くのを後回しにする
 ↓
書かなければならないことが増えていく
 ↓
忘れそうになるのでスマホにメモ
 ↓
スマホを見ないと予定が分からなくなる
 ↓
手帳を開かなくなる

 真っ白なページが生まれる理由は、他にもあります。締め切り前などで忙しさが増すと、目の前の作業に精いっぱいで、手帳に予定を書く余裕がなくなるのです。実際はひたすら原稿を書いていたのですが、手帳には「原稿執筆」と書く手間を惜しんで何も書かれていません。

仕事はしていたのに、手帳は真っ白…
仕事はしていたのに、手帳は真っ白…

 せっかく使いこなせそうだったのに、振り出しに戻ってしまいました。伊庭さん、解決策はあるのでしょうか?