原点は“劣等生”だった過去

――でもKENJIさんは、厳しい言葉で直接的な指摘されるというよりも、すごく言葉に対して繊細で相手にも気遣いながら言葉を選んでいらっしゃる印象を受けます。女子への指摘も言葉を間違うと、大きな反感や抵抗を招きかねません。その点、KENJIさんは言葉選びが絶妙でいらっしゃる。

 “言葉にお洋服を着せてあげる”ことを大事にしていますね。

 直接的に指摘するのはだれでもできると思うの。でも聞いて不快に感じる人もいるはず。だから相手への気遣いは忘れたくないわ。

 そもそも「汚ブス研究家・KENJI」がなぜ生まれたかというと、自分が“劣等生”だったからなのよ。幼いころからなぜか自分は人より劣っている、という思いが強くて……。大きないじめこそなかったけれど「アタシなんかがまわりの子たちとおなじ空気を吸っていていいのかしら?」という思ってしまうくらい、常に付き纏っていたの。

 そんな自分の経験があったからこそ、まわりの人には同じような劣等感に苛まれたりいじめられて苦しんだりしてほしくないな、って。相手によって、言葉はとても慎重に選んでいますよ。

“女性を応援したい! ”気持ちでスタートする連載。想像力を働かせて読んでちょうだい!

――次週からはじまる川柳連載『汚ブス研究家KENJIの 美タミン川柳』読みどころは?

 連載『汚ブス研究家KENJIの 美タミン川柳』では日経ウーマンオンラインの読者のかたたちの身近にある汚ブスな例を川柳で挙げていきます。そして【KENJI 美ーーンタ】と【美タミン注入】で、あなたを身も心も美しい真の【美ーナス】へと導いていけたらと思っているわ。

 川柳は五七五の17音で構成されたもの。字数の制限があることで無駄が削がれ、表現が研ぎ澄まされますよね。読み手も最小限の言葉で表現された世界を、想像力を働かせて読む必要がある。140文字の制限があるTwitter(2015年10月現在)も同じよね。書くときにすごく考えるでしょ?

 私の川柳を読んで、ぜひ想像力を働かせてみてほしいわ。

 いまはなにかわからないことがあっても、目の前のスマホを使って、すぐにGoogle先輩に教えてもらっちゃうでしょ? こうした便利なものがなかったころには、相手の言葉の意味や意図は、自分で考えるしかなかったのよ。でもいまは手軽に調べることのできるツールに頼りきりになってしまって、考えるより先に指が動くの。

 “自分の頭で考える”という習慣を取り戻してほしい、という願いもあるのよ。

 KENJIの“女性を応援したい!”――その一心ではじめる連載です。

 毎日がうまくいかない、なんだかイライラする、失敗続きの日々、自分を変えたい……そんなアナタ、ぜひいらっしゃい!

【最後に一句!】

さびついた 心に潜む 汚ブスの芽

取材・文/大川内麻里