汚ブスにネーミングすることで、客観視することができる

――日本の「妖怪」は、一説によると、子どものいたずらや失敗を「妖怪○○のせいだ」と転嫁することで、子どもが必要以上に自責の念に駆られたり傷付いたりすることから守ろう、という日本人の優しさが生み出したとも聞きます。「汚ブス」にも通ずるものを感じますね。

 そうね、決して欠点をやり玉に上げるのではなく、ユーモアを加えることで、周りも自分も欠点に対する抵抗感や嫌悪感をなくし、人に対する許容範囲が広がっていくの。

 世の中にはいろんな汚ブスがいるのよ。

 「汚べんちゃらブス」「汚とぎ話ブス」「汚話ブス」「汚しつけブス」「汚礼ブス」「汚別れ際ブス」「汚ゴられブス」……いずれにしても「○○汚ブスになってる」というのは、自分で気付くものではなくあくまでまわりが決めることなのよね。

余裕がなくても美しく【美(ビ)ーナス)】への道

――女子会などで行われる「汚ブス」への指導はどのようなものなのでしょうか?

 具体的には【KENJI 美ーーンタ(ビーーンタ)】と【美タミン(ビタミン)注入】よ。このふたつは欠かせないわ。

 まずは【KENJI 美ーーンタ】。自分で気付いていない汚ブスなところを気付かせて、目を覚ましてもらう。ここがアナタの汚ブスなところよ! と。そして具体的にどこを直せばいいの? に答えるのが【美タミン注入】。このふたつはこれからはじまる連載でも毎回お伝えしていくわね。

――KENJIさんが汚ブス研究家の活動を通して目指しているのは?

 アタシの活動が目標としているのは、女性たちを【美ーナス(ビーナス)】にすること。身も心も立ち居振舞いも美しくよ。香りもほのかに身にまとう――そんな女性になっていただけたら嬉しいわ。

 それから、人って余裕のないときに汚ブスな一面が出てしまいがちなの。発車間際の電車に人を掻きわけて駆け込む姿なんて……見ていられないくらいヒドイ顔をしてしまっているのよね。

 でも【美ーナス】って、余裕がないときでもきれいに立ち振る舞うことができるのよ。

――余裕がないときにも美しく! それは素晴らしいですね。なぜそれが可能なのでしょうか?

 常に汚ブスになっていないか、【美ーナス】を維持できているかを、意識をしているからよ。意識が変われば習慣に、そしてよい習慣が自分にとってのスタンダードになるわ。

 ホンモノを知っている人はホンモノとニセモノの両方を知っているわ。ニセモノしか知らない人にはホンモノがもちろんわからない。ホンモノ・ニセモノ、両方の物差しを持つことができてこそ、ホンモノの美ーナスになれると思うの。

 こうした経験を活かして、企業のマナー研修なども行っているのよ。マナーとモラルは腐らない。一度学んでおくだけで、人生がどれだけ豊かになるか。