これからのキャリアへ不安や職場の人間関係に関する悩み…。読者の尽きない悩み&モヤモヤをヒアリングし、仕事のプロにアドバイスをもらいました

予想通りに進まなくても挫折だと捉えないこと

 職場の人間関係に悩まされて心が乱れたり、思うようにキャリアプランが描けず、将来に不安を抱いたり…。いつの時代も、働く女性の悩みの種は尽きないもの。「自分ばかりがなぜ?」と、ついネガティブに考えがちな女性たちに対し、「悩むのは、今を一生懸命過ごしている証拠」とエールを送るのは、経営コンサルタントの田中雅子さんだ。

 「女性は、体の生理現象や出産・育児といった予測不可能な現象とともに生きていますから、思うようにキャリアを積めない時期があって当然です。予想通りに進まなくても、それを挫折と捉えず、緩やかに受け止めて。“今できること”に集中することが、未来の幸せにつながっていきます」

 また、経営コンサルタントで作家の神田昌典さんは、「目先の幸せにとらわれず、長いスパンで人生を考えることが大事」とアドバイスする。

 「人は、ひとっ飛びに成長できるわけではありません。社会人の節目は7年ごとに訪れ、段階を踏んで成長を遂げていくのです。20代前半の“成長期”を経て、専門性を磨く“探求期”に入り、自分の枠を超える“破壊期”へ。その変化を意識しておくと、乗り越えるべき課題や対処の仕方も見えてくる。節目があるから、人はしなやかに強くなれるんです」

 では、長く幸せに働くためには、どうすればいいのだろうか。

 「体と心が健康であることが大前提。ストレスを感じたら自分に合った方法でモヤモヤを捨て、気分を入れ替えることを意識して」と田中さん。「私の場合は、計画を立てずにフラッと小旅行に出ることで気持ちをリフレッシュし、心を緩めています」

 ここでは、読者から寄せられた仕事の悩みを2人が一刀両断! 参考にしてみて。

人間関係の悩み編

仕事のやる気に大きく影響するのが人間関係の悩み。「イライラする相手は自分の心を映し出す鏡だと考え、不満やイライラを気づきに変えて」(神田さん)

【お悩み】
優秀な同僚につい劣等感を感じます

「優秀な女性の同僚と比べては、自分のふがいなさに落ち込んだり、劣等感を覚えたり…。どうしたら、“自分は自分”と思うことができるのでしょうか」 (22歳・医療・一般事務)

【Advice!】
足りない部分を学ぶチャンスと捉えて

「経験を積んで実力をつけるべき伸び盛りの時期に、優秀な同僚と一緒に働けるのは何より恵まれた環境だと気づいて。比較し てしまう気持ちはいったん横に置いて、その同僚から仕事のスキルを学ぶチャンスだと前向きに捉えましょう。彼女のどこがど んなふうに優れているのか、自分には何が足りないのかを研究。いいところをまねして、少しずつ取り入れることで、自分のスキルへとつなげましょう」(田中さん)

【お悩み】
業務量が少ない同僚が評価されるのが不満!

「中途採用の同年代の女性に比べて、仕事量は圧倒的に多いのに、彼女のほうが評価されていることに対して納得がいきません!」 (30歳・不動産・一般事務)

【Advice!】
不平不満を述べるより目の前のことに集中!

「理不尽を嘆くより、“どうすればその状況下でベストを果たせるか”を考えることが大切。無理してモチベーションを上げよう とせず、まずは“どうすれば目の前の仕事を素早く終えられるか”に集中してみては? 経験値が上がることで仕事のスキルも上がります。たとえ今すぐ評価されなくても、努力は必ず未来につながりますよ」(田中さん)

【お悩み】
部下を振り回す上司にウンザリ…

「朝令暮改が多すぎる上司。フォローができず、現場は混乱してばかりです。どうすれば、こういう上司に振り回されずにすむでしょうか?」 (27歳・商社・一般事務)

【Advice!】
変化に対応するスキルを磨いて

「“上司はコロコロ意見を変えるべきではない”という裏には、“仕事では、いったん決めたことを変えるべきではない”という、あなた自身の考えが潜んでいます。そこには、“ルールに従いすぎている硬直的な自分”が隠れている可能性も。指示待ち族になっていないか、自分を振り返って」(神田さん)。「他人は変えられない。こまめに確認しながら物事を進めるなど、自分で事前に対策を練っておくことも大切です」(田中さん)

【お悩み】
さぼってばかりの先輩にイライラ…

「業務時間内に美容院の予約やネット閲覧をしている先輩を見ると、やる気が下がってイライラし、そんな自分に自己嫌悪…」 (30歳・不動産・一般事務)

【Advice!】
心が疲れている証拠リフレッシュを心がけて

「自分が疲れているときほど周囲が気になってしまうもの。まずは自分の心身の疲れに目を向け、ひとりになって気持ちをリフレッシュすることを優先して。疲れているときに相手を変えようとすると、かえって関係性が悪化して居心地が悪くなったり、自己嫌悪に陥って気持ちが下がってしまったりしがちなので要注意」(田中さん)