仕事と暮らしとの両立編

ワーママなら誰もが直面する、育児と仕事との両立の課題。どう考えればいい?

【お悩み】
仕事をしたいけれど子育てに集中すべき?

「子育てで思うように仕事に打ち込めない状況を歯がゆく思っています。育児に集中する時期だと割り切って過ごすべきでしょうか」 (34歳・出版・人事)

【Advice!】
上手な折り合いのつけ方を探して

「女性は、出産や育児などの生物的な自然現象を背負っているので、自分のことに没頭できない時期があります。無理やり割り切ろうと思わず、どうやって仕事と折り合いをつけていくかを考えることが大切。一時中断しても戻れるように、できるときに全力で仕事に向き合い、スキルを磨いておくことも重要です」(田中さん)

【お悩み】
育児と仕事との両立にグッタリ…

「会社の両立支援制度を使っていますが、周囲に気を使います。夫に育児を頼んだ日は残業をしていますが、心身共に疲れます」 (36歳・IT・SE)

【Advice!】
制度を使うことで後輩への道が開ける

「大変かもしれませんが、頑張って制度を使うことで会社がよくなり、後に続く後輩に道を示すことにも。育児経験は、時間の使い方や集中力などを磨く機会にもなると前向きに捉えて」(神田さん)。「どうすればうまく両立できるかトライしている最中。たまには夫に頼って、ひとりで心身を緩める日をつくりましょう」(田中さん)

仕事の転機には法則があった!
私たちのキャリアには「7年ごと」に転機が訪れるってホント!?

 「人生のステージは7年ごとに変わります」と神田昌典さん。以下は、オーストリアの教育思想家、ルドルフ・シュタイナーの理論にアレンジを加えた“7年周期理論”。「それぞれの時期が持つ意味を知ると、今の自分に必要なことが分かり、するべきことが見えてきます」。あなたは今、どんな時期? 早速チェックしてみよう!

21~27歳「成長期」
「いろんな経験が糧になり、後の“探求”につながる大切な時期。この時期に、収入や好き嫌いだけで仕事を決めてしまうのは非常にもったいない。感謝の気持ちがあれば、理不尽な出来事もすべて学びに変えられます」

28~34歳「探求期」
「20代前半の様々な経験を元に、“自分は世の中でどんな仕事ができるだろう”と探求し、専門性を見つける時期。自分の判断で与えられた仕事を形にできるようになり、仕事のやりがいが感じられるように」

35~41歳「破壊期」
「自分の枠を破壊し、超えていく時期。プレーヤーからマネジャーへと役割も変わるため、これまでとやり方を変える必要がある。チームを動かすには、追い込むだけでなく、包み込む母性も必要。育児の経験が役立つことも」


この人たちに聞きました
神田昌典さん
神田昌典さん
経営コンサルタント・作家
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール経営学修士。外務省経済部、戦略コンサルティング会社などを経て、98年に独立。『2022-これから10年、活躍できる人の条件』(PHP研究所)など著書多数。最新刊は図解「稼ぐ力」(学研パブリッシング)、「マンガでわかる非常識な成功法則」(ぶんか社)

田中雅子さん
田中雅子さん
経営コンサルタント
慶應義塾大学法学部卒業。英国留学を経て同大学大学院など修了。法学修士、経営学修士。外資系企業、上場企業執行役員、子会社社長を歴任。10年に介護のため独立。「田中総研」代表。現在も介護と仕事の両立中。また、16年以上企業でのダイバーシティ、女性キャリア開発などに取り組む企業ダイバーシティの第一人者。著書に『ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術』(ダイヤモンド社)など

取材・文/西尾英子 イラスト/SatoRichman

※日経WOMAN2014年11月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります