キャリアにまつわるQ&A

モチベーションを維持する秘訣は?

 それでは私からいくつか質問させてください。まずは「モチベーションを維持する秘訣」。秘訣ではありますが、開示していただければうれしいです。

アビーム石田 やはり人間ですので、常にモチベーションが高いわけではありません。迷ったときは「そもそも、どうしてこの仕事をやりたかったのか?」と立ち止まって確認するようにしています。

積水小谷 チームで仕事をするときも「企画に自分の意見を提案する」ようにしています。もちろん意見を受け入れてもらうための準備もします。指示待ちより、主体的に仕事をしたほうが、モチベーションを維持できます。子どものPTAの役員も率先して引き受けていました。

パソナ岩下 私は「好きな人と話す」ですね。誰でも社内に「仕事の価値観が同じ人」がいると思います。モチベーション高く働いている人と雑談すると、元気が出ます。

男性社員に先を越されて、悔しい思いをしたことはありますか?

パソナ岩下 私はそもそも人と自分を比較することが少なく、会社にも恵まれていたので、悔しい思いをしたことはないですね。強いて言うなら、男性上司を見たときに「自分だったら、もうちょっとうまくやれるのにな」と思ったことがあるぐらいでしょうか(笑)。

積水小谷 ダイバーシティ推進室で面接をすると、女性からは「男性に先を越されて悔しい」という声も聞きます。弊社では管理職候補者に経営視点や問題解決能力を養う「ウィメンズカレッジ」というプログラムで管理職登用を促進しています。

アビーム石田 弊社では評価や昇進において男女の差がなく、男性より早く昇進する女性社員もおります。中途採用も多いので性別年齢関係なく、各チームメンバーに経験値豊かな意見を述べてもらい、それぞれの知見を生かしていただいてます。

参加者からのQ&A

営業部で働く女性からの質問:私は営業部で土日関係なく働き、国内・海外問わず出張に出掛け、上司にも恵まれ、仕事に非常にやりがいを感じています。上司からは「次は女性リーダーに」と言われていますが、一方で出産後、職場復帰に成功した女性の前例がありません。社内に育休・時短制度はあるものの、うまく活用できず、キャリアアップできないのです。今後、女性が働きやすい環境にするにはどうしたらよいでしょうか?

パソナ岩下 私もずっと営業部の現場で働いていましたので、状況が似ていますね。私たちの部門では産後復帰した女性は、時間管理がしやすいバックオフィスに戻ることが多かったのですが、「以前のように働きたい」という要望もありました。そこで目標設定やクライアントの担当方法などを変え、復帰後も活躍できるシステムを上層部に提案しました。その結果、仕事と育児を両立する女性は集中力が高いため、復帰後にハイパフォーマーになる人が増えました。そうすると、営業現場もより「産後復帰ウエルカム」な雰囲気に変わってきたんです。まずは「現状を変えたい」声を上げることが大事です。前例がないと大変だと思いますが、最初だからこそ自分の意見を反映しやすいかもしれません。

積水小谷 社内で「育児が不利にならない制度」をつくれるといいですね。当社では、評価年次の実勤務月・時間を100%として評価しています。育休2カ月を除いた10カ月を100%、2時間時短なら6時間を100%とした評価になります。

アビーム石田 私もまだ子どもはいませんが、弊社では現在誰でも参加できるテレワーク制度のトライアルをしており、実際に利用した社員からのフィードバックを生かした制度設計も進めています。現在育児中の社員だけでなく、今後子育てを考えている社員含めみんなで練習として働きやすい制度を試して、意見を出し合ってみるといいかもしれません。