考える時間を「朝」につくる

 「忙しいから時間をつくれない」ではなく、「時間をつくらないから忙しい」のだと池田さん。

 「時間は貯金と似ているんです。給料天引きで貯金をすると結構貯まりますが、給料日の前日に余ったお金をためようとしても、たまった試しがないですよね。それと一緒で、余った時間で何かしようとしてもできないので、最初につくるのがとても大切になってきます」(池田さん)

 そこで池田さんが提案するのが、朝に考える時間を持つことです。なぜなら、自分次第でつくれるのが朝の時間だから。朝の時間に自分のエンジンを温め、余力で1日を回すと仕事も楽になり、心の余裕も出てくるのだそう。

 「思考時間の確保は人生戦略です。そうするとモヤモヤが整理されて優先順位が明確になり、仕事にメリハリが付いてスムーズに回り、家族/趣味の時間が増えて、心身のリズムも整います」(池田さん)

朝に時間をつくれば、あとは余力で回していけるはず
朝に時間をつくれば、あとは余力で回していけるはず

朝に楽しみをつくれば早起きできる

 早起きをしたいと思っても、実行するのはなかなか難しいもの。そこで池田さんは、「朝イチを楽しむ」「決めグセを付ける」「伝え方を工夫する」の3つを提案します。

朝イチを楽しむ

 「早起きできない人は、朝つらいことをしてしまう」と池田さん。その一例が、早起きしてTOEICの勉強をするというもの。勉強することが楽しかったり、TOEICを取得した先に楽しみがあればいいものの、そうではなくて起きようとすると「早起きとつらいのダブルパンチで絶対起きられない」そう。

 早起きをするためのポイントは、「うれしい、楽しい、気持ちいい」を用意すること。「朝は楽しいものだと自分の中の認識を変えていくと、早く起きれるようになります」とのこと。池田さんご自身も、月に1回程度、ホテルで朝食などを食べる「早朝グルメの会」を主宰しています。外食ができない場合は、「丁寧に出汁を取ったお味噌汁をゆっくり飲む」のもおすすめだそう。

 その他に実践しやすいのが、「簡単アロマミスト」。グレープフルーツのアロマオイルを床に2~3滴落としてシャワーを浴びると、香りがお風呂に広がって、アロマミストのような気分が味わえます。また、「まだ終わっていない1日をいい予感で予測する」という朝の過ごし方も。池田さんがプロデュースする「朝活手帳」には、「朝の3行日記」と「就寝目標」「終業デッドライン」を書く項目があります。まだ完了していないことでも、3行日記に「こういうふうにできた」と書いておくことで、スムーズに物事が進むことがあるそうです。