「強い肌」は「美しい肌」になる

津田さん自ら考案した「静脈マッサージ」もレクチャーしてくれました
津田さん自ら考案した「静脈マッサージ」もレクチャーしてくれました

 何人もの肌トラブルの症例を見てきた結果、津田さんは「強い肌づくり」が肌ケアのベースになると確信したそうです。日々のお手入れで、肌が強くなるケアをしているかどうかで、肌トラブルの原因物質から守ることができると言います。

 「特に九州はここ数年、大気汚染物質(PM2.5)が飛散してきます。これらも肌の奥底に入り込んで肌トラブルを引き起こしかねません。普段から強い肌をつくるケアをしっかり行ってほしいですね」(津田さん)

強い肌づくりの3ポイントを伝授

 強い肌づくりの方法として、津田さんは3つのポイントを教えてくれました。それは「洗顔を見直す」「保湿ケアを見直す」「血行をよくする」です。

 ついゴシゴシきゅっきゅと洗いたくなる「洗顔」ですが、それはご法度とのこと。肌をこすらないように、優しく洗うことがとても大切なポイントなのだそうです。

 次に「保湿ケア」は、きちんと保湿できる商品を選ぶことが重要。特に乾燥が気になるときは、肌の基底層まで届いて肌の細胞を正常に戻す「ヘパリン類似物質」が配合されたローションやクリームが有効であると教えてくれました。

津田攝子式「静脈マッサージ」でむくみ知らず

 それから、津田さんが考案した「静脈マッサージ」を、参加者の皆さんに直接レクチャーしてくれました。

 「なぜ静脈なのかというと、ガンの患者さんの手術のとき、首の太い静脈を糸で縛った患者さんの顔は、翌朝ぱんぱんに膨れる。しかし、リンパ節を切除し、リンパ管を縛った患者さんの顔は翌朝さほど腫れていない。むくみの主犯は静脈と聞いたんです。そこで、流れが滞りやすい性質を持つ静脈の道筋を解剖学的に捉え、強制的に流すマッサージが、美容にも大いに意義があると考案しました」(津田さん)

 顔には、複雑な配線のようにたくさんの血管が張り巡らされているそうです。解剖学にのっとって、通常のマッサージ法とは逆に、下へ下へと流します。「静脈は心臓に戻るルートだから、下に流して大丈夫なんですよ」と津田さん。

 首、顔の正面、頬骨、顔下半分、目頭……と部位ごとに流し方をレクチャー。会場の皆さんも話を聞きながら、マッサージの指の形を作って実際にご自身の顔や首をマッサージしていきます。その顔は真剣そのものでした。

 「血管はゴムホースみたいになっているので、押し当てたらスーッとスライドさせて。ごしごししないことがポイントですよ」とコツまで伝授。津田さんは、むくみが表れやすい朝のケアがおすすめと話してくれました。

日経BP総研主席研究員の西沢邦浩(左)から津田さんへの質問タイムも
日経BP総研主席研究員の西沢邦浩(左)から津田さんへの質問タイムも

 終盤は、日経BP総研の西沢邦浩との掛け合いも。「冬に向かう時期、これだけはという保湿ケアは?」と尋ねられた津田さんは、「冬こそ油水分のバランスが大事。ちゃんと水分補給ができる誠実なスキンケア商品を選び、水分をしっかり貯蔵する意識を大切にしてください」と会場の皆さんにメッセージを送りました。