忙しい女性にこそ必要 日常に+αする美容食習慣

フードディレクターの川上ミホさん
フードディレクターの川上ミホさん

 最後に登壇したのは、フードディレクターの川上ミホさん。TV、雑誌などメディアを中心に活躍中の川上さんの話が聞けるとあって、会場の真剣度もますます上がります。「+αするだけでできる美容食習慣のコツ」をお話ししてくれました。

 セッション中にいただいたお弁当のレシピ考案をした川上さん。ご自身も母、妻、働く女性として忙しい毎日を送る中で、少しでも健康になれる食事を心掛けているそうです。

 「栄養、足りていますか?」

 尋ねられて少しドキッとするこの問いかけから、トークはスタート。川上さんには、気になっているデータがあるそう。東京の丸の内やその近隣で働く女性たちのやせ率28%にもなっているというのです。成人女性の1日の摂取カロリー目安は2000kcalとされているそうですが、大手町・丸の内・有楽町エリアで働く女性たちの食事調査結果では平均1479kcalと、大きく下回っていたとのことで、実は「隠れ栄養不足」に陥っていることが分かってきたといいます。
*出典/まるのうち保健室

 栄養が足りない状態が続くと、さまざまな健康障害を引き起こしかねません。そこで、川上さんがおすすめするのが「ちょい足し」する料理。新しい料理に挑戦するのは少しハードルが高くても、いつもの料理にプラスするだけで「おいしくなって」「栄養価が上がって」「見た目もよくなる」。それが「ちょい足し」のいいところだそうです!

おすすめの食材はジャパニーズスーパーフード

 アサイー、スピルリナ、チアシード、アマニ油……。「最近よく耳にするスーパーフードは、健康や美容に役立つ成分が多く、よい食材だと思います。しかし、高価で手に入りにくいといったデメリットもあります。そこでおすすめしたいのが『ジャパニーズスーパーフード』。日本人が昔から親しんでいる食材の中に、豊富な栄養素を持つスーパーフードといえる食材が数多くあるんです」

 川上さんの考えるジャパニーズスーパーフードを一つずつ紹介してくれました。「豆」(大豆食品)、「大麦」、「昆布」、「ごま」、「そば茶」、そして「薬味」だそうです。

 豆は、豆腐・味噌・油揚げ・がんもどき……とバリエーションが豊富で、さまざまな料理に使いやすい食材。海の王者「昆布」と陸の王者「大麦」と称される二つは、前半で詳しい解説があったように「水溶性食物繊維」の宝庫。そして、「ごま」はペーストにしてトーストに、粒状でおむすびやふりかけにと、いろいろ使えて栄養満点。「そば茶」は保存性が高く、そのまま食べられるのでそばの栄養価を丸ごと取り入れることができてよいのだそうです。

 また、シソ・ミョウガ・ネギ・唐辛子・かぼす・ゆずといった日本の「薬味」をアクセントとして取り入れていくことで、毎日の食卓が見た目も栄養面も豊かに変わっていくと教えてくれました。

 「毎日の小さな積み重ねで、うまく『ちょい足し』をして、よりおいしく栄養バランスのよい食事を目指しましょう」と語りかける川上さんの健康的な笑顔に、参加者も元気をもらったようでした。

 当日は、お弁当の他、お弁当メニューのレシピもついて充実した時間となり、おなかも知識も満たされたセッションとなりました。

文/安元妙圭 写真/諸石信