“経験”として受け入れた上司との不倫

 恋愛とは対照的に、就職活動は順調でした。りかさんは、新卒で外資系コンサルティング会社に秘書として入社します。大学4年になるとコミュニティ内で「最年長」となり、就職活動にしても恋愛にしても「もっとしっかりしなければ」という意識が強く働いていました。それが一変して、会社では一番の若手です。新しい場所に、新しい人間関係。自然と「恋愛=結婚」の意識も薄らいでいきました。

入社して4カ月、部内の人気者になったりかさんに交際を申し込んできたのは…(C)PIXTA
入社して4カ月、部内の人気者になったりかさんに交際を申し込んできたのは…(C)PIXTA

 明るく、気配りのできる性格から、りかさんはあっという間に部署の人気者になりました。特にりかさんの所属する部署は男性社員が多く、若い女性が笑顔で仕事をしているだけで重宝されました。

 入社して4カ月ほど経った社会人1年目の夏。案件を手伝っていた10歳年上の上司から、りかさんは交際を申し込まれます。相手は社内でも有名な愛妻家のDさんです。

「若いうちに、1度くらい不倫を経験しておくのもいいか」

 そう思ったりかさんは、Dさんが提示した暗黙の不倫関係を受け入れることにしました。こうして始まった“経験”としての不倫は、長くは続きませんでした。費やす時間の先に何もないことを悟ったりかさんは、翌年の春に「好きな人ができた」と嘘をついてDさんとお別れしたのでした。

8カ月続いた不倫は自分から終わらせました
8カ月続いた不倫は自分から終わらせました

 C先輩との出来事やDさんとの不倫関係で、「普通の恋人同士」から少し離れてしまったりかさん。その後、彼女は24歳から27歳まで、自称「空白の3年間」を過ごします。「なんとなく彼氏はほしいけれど、それよりも女友達と集まったり旅行に行ったりする方が楽しい」。社会人になって使えるお金が増えたこともあり、同性の友人と気兼ねなく過ごす時間は充実していました。

 その後、りかさんは、痛いけれど学びの多い恋愛を経験します。次回は、20代後半から30代にかけての恋愛履歴を見ていきましょう。

<次回> 「32歳秘書「浮気にギャンブル…男を見る目がない?」

文/大吉紗央里 写真/PIXTA