秋晴れの10月8日(月・祝)、福岡国際会議場で開催された「WOMAN EXPO FUKUOKA 2018」。開場してすぐ始まったセッションにもかかわらず、会場内は立ち見の聴衆でぎっしり埋まり、始まる前から聴衆の期待感が伝わってきました。メディアでも活躍し、数多くの女性の美を生み出しているフィットネストレーナーの岡部友さんが、忙しい女性でも美しいボディーラインを手に入れられるトレーニングのコツを教えてくれました。
大切さを理解していても、続けるにはコツが必要
「この中で定期的にトレーニングしている方はどれくらいいますか?」という会場への質問から始まったこのセッション。会場は半数くらいの人の手が挙がり、福岡の女性たちの美に対する意識の高さがうかがえます。「いつまでも美しく健康でいたい」とは多くの女性が願うこと。なおかつ女性らしいボディーラインを求める人もたくさんいるようです。
そんな理想を求める女性たちに、とあるデータを岡部さんは示してくれました。週に1度以上何らかのトレーニングをしている人は、日本人で40%に上るそうです。一方、入会から1年以内にフィットネスクラブを退会する人は37%。運動が大切なのは分かっていても、続けることがいかに難しいかを表しています。
働く女性は、時間に制約がある。それがトレーニングを継続するのを難しくさせていると岡部さん。「忙しい人こそ優先順位をどうつけて、トレーニング時間をつくるかを考えてほしいのです」(岡部さん)
トレーニングを習慣化する3つのコツ
これまでに数多くの女性のトレーニングを見てきた岡部さんが、習慣化するための3つのコツを教えてくれました。
1.時間の優先順位を見直す
最初に岡部さんが大事だと考えているのが、自由に使える時間がどこにあるか知るということ。「やるべきこと」すべてを把握した後で、「やりたいこと」を書き出す。その中に、トレーニングの時間をどこに入れるのかを考えましょう。
例えば、仕事や家事など「やるべきこと」をスケジュール帳に書き、次に趣味や運動など「やりたいこと」の優先順位をつけてスケジュールに入れていく、というようにスケジューリングします。
この「やるべきこと」の中には、料理のためのスーパーに行く時間も含まれます。「体づくりを考えて、手作りの食事を食べようと思ったら、スーパーに行く時間が必要になる。そう分解して優先順位を決めていくと、残った時間が皆さんにある最大の運動時間となります」(岡部さん)
自分の時間をスケジュール化して見てみると、それほどやりたくないこと、やらなくてもいいことに時間を費やしていることにも気付かされます。「SNSを見る時間は平日の平均で70分といわれます。お休みの日にだらだらと睡眠時間がある人も意外と多いのではないでしょうか。その時間を『やりたいこと』に使うよう意識することがおすすめです」(岡部さん)
美しい体づくりには、トレーニングを続けることが一番大切で、10分だけ、20分だけと細かく区切ってやるのも1つの手。「決め過ぎることが、続けにくさにつながってしまいます。完了できなかったタスクは罪悪感を抱かず、優先順位が違ったと分かればOK」とにっこり。
優先順位は、1度決めたら変えられないということはなく、試してみて「友達との飲み会のほうが大事だったわ」と思えば優先順位を変更すればいいと、ホッとするアドバイスがありました。「自分を責めることだけはしないように!」と温かいメッセージでした。
2.正しい知識を付ける
次に岡部さんが教えてくれた、トレーニングを継続させるコツは「正しい知識」。実は、多くの女性たちには誤解があるそうです。
美しい体づくりには、「筋肉を付けること」「筋肉を付けたくないところに付けないこと」「脂肪を落とすこと」「脂肪を付けること」の4つの要素があります。しかし、人がコントロールできるのは「筋肉を付けること」のみで、脂肪を落とす順番や、付く順番はコントロールできないとのこと。
「コントロールできないことに悩むのではなく、コントロールできる筋肉を付けることに着目することが大切」(岡部さん)。さらに、筋力を鍛えることだけを考えるとお尻も足も筋肉が付いてしまいますが、足の筋肉は肥大させず、お尻の筋肉は肥大させるようにトレーニングすることで、女性らしい美尻が手に入ります。
「体の中身は男性と女性では全然違う。ホルモン、筋線維、骨盤、脂肪量……それぞれの違いをまず知ってほしいですね。一般的に女性は筋肉が付きづらいと思いがちだけど、筋肉はきちんときれいに付く、と思ってトレーニングすることが実現に近づくんですよ」と教えてくれました。
また、パーソナルトレーナーを付けたことで安心してしまったり、情報をそのまま鵜呑みにしてしまうのではなく、自分でも情報を調べたり尋ねたりして、自分の体に積極的に関わろうとすることが、美しい体づくりの近道となるそうです。