無添加化粧品を過信しないで

 成分表示は配合量の多い順に表記されています。化粧水ならば、水、BG(ブチレングリコール、保湿と抗菌の作用がある)、……フェノキシエタノール(防腐剤)、パラベン(防腐剤)……などのように並んでおり、この場合は水とBGが最も配合が多いという見方ができます。

 中には防腐剤が気になるという方もいるでしょう。でも、場合によっては必要です。冬など気温が低ければ雑菌の繁殖はある程度抑えられるかもしれません。しかし夏に防腐剤ナシでは危険。手作りの化粧品を使うならば冷蔵庫で保存したり、少なめに作って早めに消費したりするなどの工夫が必要です。一方、市販品は温度変化などにきちんと耐え得ることを試験されたものが前提。そう、手作り化粧品も善し悪しなのです。

 そこでオーガニックと同じような意味合いで、「無添加化粧品」を過信している人もいます。防腐剤の他にも、香料や着色料が入っているのが悪いと思い込んでいるかもしれません。例えば、動物由来の成分を使用すると結構ニオイがします。このようなものを基剤臭と言いますが、ほとんどの人はこの慣れない基剤臭に違和感を覚えるはず。化粧品のような感情と密接に結びつくアイテムは香りも大切な要素。だとすると、一概に香料が悪いとは言えなくなります。

 添加物への判断は個人によりますが、こんな選択肢もあります。チューンメーカーズはコスメに配合される原液をそのまま提供しているブランド。「セラミド」や「ビタミンC誘導体」「甘草エキス」などの原液がラインアップされており、これなら自分に必要なものを選びやすいはず。また、同じく原液ではビービーラボラトリーズでは「プラセンタ」に特化しています。どちらも、自分で成分を選べるという感覚が面白くて、男性も女性もハマりそうでしょう?

自分が欲しい成分の原液をアラカルトで選ぶスタイルもある (C)PIXTA
自分が欲しい成分の原液をアラカルトで選ぶスタイルもある (C)PIXTA

 最近の男性は、いや自分をきちんと見つめることのできる女性たちも化粧品の成分に気をつけています。ただ漫然と「よく知られたブランドだから」「安価だから」「買いやすいから」「オーガニックと書かれているから」などという理由だけで選ばず、中身を吟味してみるといつもの選択が変わるかもしれません。これを機会に、貴女の美容常識を考え直してみませんか?

文/藤村岳 写真/PIXTA


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