ますます充実するエイジングケア市場

 ここからは最新のコスメや美容医療の具体例を見てみましょう。例えば、男性用でいえば、2017年1月3日に伊勢丹新宿店メンズ館(店舗限定)および公式オンラインショップで発売された、超ラグジュアリーラインのラボ シリーズ「マックス LS マクセレンス」。

 なんと、宇宙から飛来した隕石由来の抽出物を配合したエイジングケアコスメで、美容液が4万5000円、クリームが3万2000円と非常に高額なもの(各50ml、税抜価格)。男性専用でこのクラスは今までなかったはず。このようなエイジングケアに特化した高級コスメが発売されるというのは、男性の市場も成熟しているという表れでしょう。

 また、ポーラの「リンクルショット メディカル セラム」(20g、税込1万6200円)は、日本で唯一のシワを改善できるとされる美容液。同じく今年の1月1日から発売されていますが、女性は当然のこととして男性の間でも話題に上っています。実際に早速、購入したという男性の友人もいるほど。これは前述の、美意識の高い男性はシミに限らずシワまでも気にするようになってきた、という証拠ではないでしょうか。

 さらに美容医療に目を向けてみると、本格的な再生医療を導入したクリニックが注目を集めています。例えばアヴェニューセルクリニックでは、自分の骨髄由来幹細胞や脂肪由来幹細胞をクリニック内で培養して、直接、該当箇所の皮膚や関節に、そして点滴で全身に投与することができます。

 ほかにも、衣理クリニックでは、シワの次の段階で起こってくるたるみ対策として、口中の粘膜にレーザーを照射する「スマイルリフト」という施術を展開しています。実は、これ、ボクも試してみました。口の中にレーザーを当てるのですから、初めて聞いたときはとても怖かったというのが正直なところ。男性は痛みに弱いので、尻込みしがちです。

 でも、取材と思ってトライしたら、まったく痛みがないので拍子抜けしました。施術後、すぐに効果を実感できるのも何よりうれしい。それは皮膚よりも粘膜のほうが、より患部(顔のシワ)の近くに照射できるからだそう。

 アヴェニューセルクリニック、衣理クリニックのいずれも、男性からの問い合わせもとても多いのだとか。男性の美容意識の高さがうかがえます。

 誰しも老いるのは仕方のない自然の摂理です。ですから、必死になって無理な「アンチ」エイジングをするのは、オススメしません。しかし「どうせ年だから」とあきらめるのももったいない。自分のライフスタイルに見合い、できる範囲で上手な年の重ね方を模索する、そんな前向きな姿勢が若々しくいられるコツなのでしょう。そしてその気づきは早いほど効果が高い。これを機会に、貴女の美容常識を考え直してみませんか?

文/藤村岳 写真/PIXTA


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