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舞台は世界! 日本を飛び出して見えたこと

会社を辞めて南米へ移住 チョコレート会社経営者に

2018年11月22日

南米コロンビアでカカオを追い求める 小方真弓さん

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 今回ご紹介するのは、カカオハンターという聞き慣れない肩書を持つ小方真弓さん。世界各地の産地を巡ってまだ見ぬカカオを探し、現在は南米コロンビアでカカオ豆の輸出会社やチョコレート工場を経営している。こだわるのは「生粋のチョコレート」。品種や産地によって異なるカカオの香りと味をそのまま届けたいからだ。世界に飛び出したきっかけは、ある疑問と好奇心だった。それがついにはコロンビアのカカオをチョコレートの国際大会で金賞を取るまでの高みへと導く。チョコレートの裏話も驚きの連続で、読後はきっと食べたくなるはず!

第1回 退職理由は「カカオが見たい」 世界に踏み出した一歩
第2回 会社を辞めて南米へ移住 チョコレート会社経営者に(この記事)
第3回 南米で契約農家2000人を守る日本人 働く意味とは(11月29日公開予定)

カカオハンター・小方真弓さん年表
22歳 チョコレート会社に就職
28歳 会社を辞め、カカオ産地巡りをスタート
36歳 コロンビアのカカオ輸出会社に共同経営者として参画、コロンビアのカカオを探し始める
37歳 コロンビアに移住
39歳 コロンビアにチョコレート工場を建設
41歳 インターナショナル・チョコレート・アワード(*)を受賞
42歳 同じくコロンビアに、第二のチョコレート工場を建設

*2016年にはアメリカ大会のミルクチョコ部門にて最優秀賞を受賞。2015年と2016年には、世界大会のマイクロバッチダークチョコレート部門で金賞を受賞。

バラエティー豊かなカカオの品種にびっくり!

 会社を辞めて世界のカカオ産地を巡るようになった私は、その品種の多さにとても驚きました。しかも、品種ごとに風味がまるで違うんですよ。カカオの品種は3系統と本で読んでいましたが、それで収まるとは信じられないほどバラエティーに富んでいるのです。私はそれぞれのカカオについて、色や形を見て、重さを量り、豆が何粒入っているか数え、酸度を調べ、データ収集を行いました。長年研究開発をしていたので、分析をするのがクセなのです(笑)。さらに、カカオからカカオ豆を作る工程も現場で学ばせてもらいました。簡単に説明すると、収穫したカカオの実を割ってタネを取り出し、そのタネを果肉とともに発酵させ、乾かしたものがカカオ豆です。こうした産地見学を通して、私は改めて自分の無知に気付かされました。カカオや産地、生産者のことを全く知らずにチョコレートを作っていたなんて、自分の人生にとってどんな意味があったのかと思ったほどでした。

「カカオは色も形もさまざま。世界のカカオのほとんどは実を割るとタネが紫色なのですが、なかにはタネが真っ白という珍しい品種もあります」

 それは産地巡りを始めて3年目のことです。帰国した私は、コンサルティングをしていた日本の会社の社長さんにこう言われたんです。「何しにカカオ産地に行っているんだ? ただ自分が勉強したいだけなんて意味がない。産地にお金を生み出して、初めてつながりができるんだ」。ハッとしましたね。「見たい! 知りたい!」と産地を訪ね、渡航費を工面することばかり心配し、我欲を満たすことしか頭になかったことに気付いたんです。以来私は、自分がカカオ産地に行く意味を考えるようになりました。少量ですがカカオ豆の輸入を始め、経済循環の中の一人でいようと決めたのです。

「自分が輸入したカカオの代金が生産者何人分の生活費になるのかなども考えるようになったんです」

コロンビアでインディ・ジョーンズに!

 グアテマラ、メキシコ、エクアドル、タンザニア、マダガスカルなどさまざまな産地を訪れるうちに、私はいつしかまだ見ぬカカオを探すようになりました。「カカオハンター」の始まりです。なかでも私の好奇心をかきたてたのが、南米のコロンビアでした。古くからカカオの文化があり、コカの代替作物として国の政策でカカオ栽培が進められたという政治的影響もあって、作られている品種がとても多かったのです。カカオという植物は品種が混ざりやすいという特徴もあるので、探せばまだ見つかるだろうという冒険心もくすぐられたんですよ。

 奥地にある小さなカカオ農家を訪れたり、森の中に生えている古くからの品種を探しに行ったり、インディ・ジョーンズの気分です。最初は、あるかないかも分からないカカオを探していましたが、そのうち私の活動を知った人が情報をくださるようになったので、効率的に動けるようになりました。100本あると聞いて10時間かけて山を歩き、森の中で寝て、翌日見つけたのはたった1本だったということもありますけどね(笑)。

「コロンビアのカカオは、小さな農家が2~3ヘクタールほどの畑で作っています。カカオだけでは食べていけないので、食用バナナやマンゴーなども育てているところが多いんですよ」

 私がコロンビアの産地を見て回るようになった頃は、まだ反政府ゲリラの残っている時代。一人では危険なので、奥地へは国連の現地事務所の人などが同行してくれました。コロンビアは親切な国で、「こういうことをしたい」と知り合いに頼むと、友人やそのまた友人が協力してくれて、国連の現地事務所の人にまでつながるのです。個人の活動を国連の人が助けてくれるなんて、不思議ですよね。市長経由で3名の消防士がついてきてくれたこともあります。おかげで危険な目に遭ったことは一度もありません。怖い思いをさせられるのは、苦手なヘビくらいです(笑)。

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