「#フォロワー販売」「#フォロ爆」などのハッシュタグが付いた投稿を見かけたことはあるだろうか。SNSのフォロワーや「いいね」が販売されている。なぜそのようなものが売られており、どのような仕組みなのだろうか。

どんな人が買っているのでしょうか (C)PIXTA
どんな人が買っているのでしょうか (C)PIXTA

Twitter、Instagram、メルカリのアカウントが人気

 Twitterで「#フォロワー販売」「#フォロ爆」などのハッシュタグで検索すると、フォロワーを販売しているアカウントが多数見つかる。フォロ爆とはフォロワー爆撃の略であり、複数のアカウントでまとめてフォローし、フォロワー数を水増しする行為を指す。

 そのような投稿を見ると、「フォロワーが数日で簡単に増加」「ひと目では分からない見た目」「1000人~10万人まで対応可能」「外国人アカウントだけでなく日本人アカウントも販売」など、さまざまな説明がついている。フォロワーの値段はまちまちで、1000フォロワー当たり1000円程度から数万円というものもある。

 人気なのは、TwitterやInstagramのアカウントだ。匿名で利用でき、複数アカウントが作成できるためだ。その他、SMS認証が必要なメルカリなどのアカウントも多数販売している。メルカリなどのアカウントは、詐欺行為などにも利用されることがあるため、規約違反行為となっている。

著名人になり一目置かれたいユーザーたち

 では、なぜフォロワーや「いいね」が販売されるのだろうか。フォロワーや「いいね」は数字で多寡がはっきりと分かるため、他人と比較しやすいことが影響している。

 一般的にSNSでは、フォロワーが多いほうが影響力がありよいとされる。フォロワー数が多いことで著名人として扱われたり、宣伝などの仕事が依頼されることも多い。

 実際若者の間でも、フォロワーが多い人は一目置かれる傾向にある。同様に、「いいね」も多いほうが人気があるなどと思われてプラスになるのだ。そこで、フォロワーや「いいね」などが販売されているというわけだ。

フォロワー数の割に反応がないのが特徴

 販売されているフォロワーは、botが自動でフォローする場合もあるし、人件費が安い海外の人が手動でフォローしている場合もあるという。少ない場合は、販売者自身が手動で複数のアカウントを操作してフォローするケースもある。フォロワーに外国人ばかり並ぶことになるため、日本人のアカウントのほうが一般的に料金が高い。

 中には「いいね」やリツイートなどをするものもあるが、通常、購入したアカウントは何も投稿しないし、他人の投稿に対して反応もしない。つまり、見た目のフォロワー数が増えても、投稿に対する反応は増えないのだ。