死後は「追悼アカウント」への移行ができる

 他人が容易にログインできないようにセキュリティーを高めることは大切だが、ではユーザーの死後、SNSアカウントはどうなるのだろうか。

 Facebookには、追悼アカウントが用意されている。「追悼」と表示して亡くなったことを明示した上で、家族や友人が故人をしのぶ場とすることができるのだ。生前に追悼アカウント管理人を指定しておけば、追悼アカウントとして管理を任せたり、削除したりしてもらうことができる。生前の指定がなくても、家族や友人が死後に依頼すれば、追悼アカウントにしてもらうことも可能だ(*2)

 Instagramでも同様に、家族や友人などが、追悼アカウントへの移行やアカウントの削除を依頼することができる(*3)

 Twitterの場合は、死後はアカウント削除が可能だ。権限のある遺産管理人または家族が依頼すれば、アカウントが削除してもらえる(*4)

 Googleには、アカウント無効化管理ツールが用意されている。アカウントが長期間使われていないと判断するまでの期間、その期間が過ぎた場合にデータをどうするかをあらかじめ設定しておけるのだ。信頼できるユーザーにデータを公開したり、Google側でデータを削除してもらうよう設定できる(*5)

 ただしいずれの場合も、故人のアカウントに自由にログインできるようになるわけではなく、管理や削除などができるようになる点が共通している。

 今の時代に生きる私たちは、多かれ少なかれ、大切なデジタル遺産を抱えている。自分の死後、パソコンやスマートフォンなどの端末内のデータ、オンラインバンキングなどのアカウント、SNSなどのアカウントをどうしたいのかを考えておくといいだろう。あらかじめ、管理してもらいたい家族などにIDやパスワードなどを託しておくと安心できそうだ。

誰に託すことができそうか、考えてみてくださいね (C)PIXTA
誰に託すことができそうか、考えてみてくださいね (C)PIXTA

文/高橋暁子 写真/PIXTA