街中でよく見かけるようになった、「スマホ決済」。皆さんは、利用していますか? ポイントが貯められたり、支払いがスムーズにできたりと、メリットがいっぱい。今回はスマホ決済について、ITジャーナリストの高橋暁子さんが詳しく解説します。

「スマホ決済」使っていますか? (C)PIXTA
「スマホ決済」使っていますか? (C)PIXTA

 皆さんは「スマホ決済」を利用しているだろうか。スマホ決済とは、QRコードやバーコードなどを使って、スマホだけで店舗やネットでの支払いが可能となるサービスの総称だ。

 KDDIの「スマホ決済利用意向調査」(記事末にリンク)によると、スマートフォン所有者の20.1%がスマホ決済を利用している。30代の利用が高く、利用の理由は「会計がスムーズだから」(23.4%)、「ポイントが付くから」(22.2%)、「財布を持たなくて済むから」(15.0%)、「小銭を持たなくて済むから」(14.0%)などとなっている。

 スマホ決済の利用意向は42.5%であり、10・20代の若年層が積極的な傾向にある。一方で、スマホ決済を利用していない理由は、「セキュリティ―が不安」(38.8%)、「スマホの紛失・故障」(34.7%)が多く、「悪用される」(25.0%)、「登録が面倒」(23.0%)も上位に上がった。

 スマホ決済サービスの現状、代表的なスマホ決済サービス、働く女性がスマホ決済サービスを選ぶポイントについてご紹介したい。

機種に依存しない「スマホ決済」

 スマホ決済はなぜ広まっているのだろうか。

 まず、数年前から広まった「おサイフケータイ」との違いを押さえておこう。おサイフケータイは、携帯電話に埋め込まれた日本独自の技術であるFeliCa(フェリカ)を使うため、使える機種が限られていた。例えば、iPhone7・7Plus以前のiPhoneにはこのチップが埋め込まれておらず利用できなかったのだ。

 ところが、スマホ決済にはこのような制限はない。アプリにお金をチャージしたり、銀行口座やクレジットカードとひも付けたりすることで、どんな機種でもアプリさえあれば使えるようになったこと、利便性が高まったことで広まっていると考えられる。

「楽天ペイ」「d払い」「LINEPay」…サービスが続々登場

 スマホ決済の主なサービスを見ていこう。楽天の「楽天ペイ」は、主要6ブランドのクレジットカード決済に対応している他、楽天EdyやSuica、nanacoなどの主要電子マネー、「Google Pay」「Apple Pay」にも対応している。楽天スーパーポイントがたまる他、ポイントを支払いにも利用できる。

 NTTドコモの「d払い」は、クレジットカードやチャージが不要で、月々の携帯料金と共にまとめて支払うことができるスマホ決済サービスだ。dポイントを貯めたり、ポイントを支払いに使ったりすることも可能だ。

 LINEの「LINE Pay」は、チャージをすると提携サービスや店舗での決済の他、LINEの友だちへの送金や、割り勘もできる。LINEアプリの中に機能があるため他のアプリをダウンロードする手間がない点、LINEポイントが還元される点がメリットとなる。

 Appleの「Apple Pay」は、iPhone7以降のiPhoneでネットや店舗での支払い、Suicaでの交通機関利用ができるのが便利。Googleの「Google Pay」はAndroid端末で同様の支払いなどが可能だ。メルカリも2017年11月に金融関係の事業を行う新会社メルペイを設立している他、Yahoo!もYahoo!アプリで支払え、支払いでTポイントがたまるスマホ決済機能を発表するなど、「スマホ決済」は注目の分野となっている。