マネー・ロンダリングの温床の危険性も

 一方、現金が額面よりもっと高い値段で売られていたことをご存じだろうか。筆者ものぞいてみたが、例えば1万円札4枚が4万7300円など、高い値段で売られていた。中には「SOLD」マークが表示されており、既に取り引きが終了しているものも多かった。

 現金が売られていた理由は、おそらくクレジットカードの現金化だろうといわれている。クレジットカードのショッピング枠で現金を購入することで、一時的に現金を手に入れられる。つまり、マネー・ロンダリングが行われている可能性が高いのだ。

 メルカリはすぐに現行紙幣の出品を禁止したが、その後もチャージ済みSuicaが高額で出品されたり、宛名がない領収書が出品されるなどの事態につながっている。Suicaはやはりマネー・ロンダリングの一環であり、領収書は脱税に使われる可能性があるのだ。このような出品は、報道後メルカリによってすぐに削除されている。

 売り手側買い手側双方にメリットが大きいメルカリだが、犯罪の温床と化している面があるのだ。通常取引しかしていない一般ユーザーがこのような事態に巻き込まれることはないが、まねをして出品などすると罪に問われる可能性が高いので注意してほしい。

 なお、メルカリは事件後、24時間体制での監視・削除対応など、安心・安全への取り組みを強化している。今後はこのような問題は減っていくと考えられるので、興味を持った方はぜひアプリを利用してみてはいかがだろうか。

何でも売れる・買えるところがメルカリの魅力
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文/高橋暁子