支払い能力が低い未成年がターゲット

 ツケ払いが対象としているのは、クレジットカード支払いに抵抗がある消費者も含まれるが、メインはクレジットカードを保有していない若年層だ。そもそも5万4000円の支払いも2カ月延ばしにすることが前提である時点で、支払い能力が低い層をターゲットとしたビジネスなのだ。

 また実際は、ZOZOTOWNではなくGMOペイメントサービスが決済代行を行っている。つまり、信頼の低い未成年者にローンを組ませているのと同じこととなり、その点が問題視されているのだ。

 明らかに延滞リスクが高そうだが、実際SNSなどで調べると、ツケ払いで滞納している学生で溢れかえっている。ある学生は、「1円も払っていないのに流行の服が買えるからラッキーと思った。2カ月後ならバイトを頑張れば払えると。でもそのうち忘れちゃって」。支払い通知が来てしばらくは支払わずに放っておいたが、督促のメッセージが何度も来てしまい、最終的には怖くなって親に泣きついたそうだ。

支払い能力が低い若者をターゲットとしたビジネスが問題視されている (C)PIXTA
支払い能力が低い若者をターゲットとしたビジネスが問題視されている (C)PIXTA

 5万4000円なら未成年でも頑張れば払えなくはない額であり、保護者に頼めば支払ってもらえそうな金額でもある。しかし、保護者に支払いを断られたり頼めなかった場合は、その未成年はどうなるのだろうか。違法なことや風俗などに手を染めないとも限らない。

 確かに、ツケ払いをするためには会員登録が必要だ。利用規約や支払い確認画面、ヘルプページなどには「未成年の方は保護者の同意を得たうえでご利用ください」と書かれている。ところが、実際には規約を全く読まず、その事実を知らないユーザーが大半だという。

 運営会社のスタートトゥデイは、ツケ払いが問題視されていることを受け、今後購入時に保護者の同意の有無をチェックする機能を設ける予定だという。チェック機能が付いただけでこの問題はクリアされるのかどうか、今後に注目していきたいところだ。

【参考】
ZOZOTOWN ツケ払いはじめました

取材・文/高橋暁子 写真/PIXTA