考える時間をつくるための「余白」が取れていない

 モヤモヤをモヤモヤのまま放置すると、個別のモヤモヤがどの悩みにひも付けられているかが分からなくなります。分からないまま放置し続けると、それぞれが複雑に絡み合い、ますます混乱してしまいます。

 仕事が多過ぎる! と一言で言っても、そもそも人員が足りないからなのか、自動でできることを手動でやっているからなのか、後輩が毎回ミスするからなのか、はたまた自分の実力不足なのかなど、さまざまな理由があるでしょう。また、仕事が忙しくてなぜイライラするか? をよく考えてみると、家族が家事を手伝ってくれないから家でも「仕事」が待っているせいでイライラしている、など、実は仕事とはあまり関係ないことが仕事にひも付けされている可能性だってあります。忙しいと、本当の問題は何なのかを考える暇がないまま、日々目の前のことをこなしてしまうのでいつまでも解決しないのです。

 まずは朝30分、自分のモヤモヤを整理する「余白」の時間を取るようにしてみましょう。朝は自分の意思次第でつくりやすい唯一の時間です。夜は突然の誘いや予定通りいかなかったときのバッファーで時間を取られてしまいますが、朝イチなら自分が取ろう! と思えば取れるもの。朝4時起き、5時起きは無理でも、朝30分なら、工夫次第で時間をつくることができると思います。

 以前精神科医の西多昌規先生と対談した記事「『朝すっきり』のために、夜にやるべきこと」でも、朝のメリットを教えてもらいました。朝は睡眠で記憶や感情経験が整理整頓されるので、余計な経験が一切なく、脳も白紙状態になるから前向きな思考が産まれやすいそうです。

決めグセが付けられていない

 残業が減らない、望まない夜更かしが多い、と悩む方に多いのは、「決めグセ」が付いていないということです。「決めグセ」とは、自分で決めたことを割り切って淡々と進める力のことです。

 例えば今の環境が自分にとって納得がいかなかったとしても、「こんな会社辞めてやる!」とすぐに辞めることが現実的でない場合は、いつまでも文句を言いながら仕事をしていても現状が変わるわけではないのです。だとしたら「3月の大きなイベントを成功させたら辞めてやる!」「○○さんに、あなたのおかげで助かったと言わせたら辞めてやる!」「貯金が○○万円たまったら辞めてやる!」など、何でもいいのでゴールを決めて、そのゴールに向かって淡々と今ある仕事を進めていけばいいわけです。

 仕事でもプライベートでも成果を出すためには、何かしらを捨てたり、やる!と覚悟を決めたりすることが必要です。今までの働き方の延長に未来はない、と感じているなら、未来があると思える方向にかじを切り、その未来が最高なものとなるように自分で決める必要があります。

 何かに踏みだそうと思ったときに、その選択が最善で最高のものだなんて、誰にも分からないものです。でも、分からないから不安だ、といって、自分の決断を自分で信じることができなかったら、これからの人生何をよりどころにしていけばいいのでしょうか。

 だから、いったん、やる! と決めたら、やった先の未来は絶対によくなる、と信じて突き進むことが必要です。結局は決めるか、決めないか。それが、未来を変えていけるかいけないかの分かれ道です。

 最善の選択をするのではなく、選んだ道を最善にしてやる! と決めて突き進む。それが「決めグセ」です。