時間をかけてじっくりと婚活に取り組むのもアリですが、時にはチャンスを逃さない思い切りの良さも大切です。個性的な婚活模様をお送りする本連載「こんな婚活アリなんです」に今回登場するのは、保育園に通う子どもを持つ27歳のシングルマザー。彼女は、東京・青山の結婚相談所「マリーミー」史上最速の8日で成婚を果たした女性ですが、いったいどのような方法で幸せな結婚を手に入れたのでしょうか。そして代表の植草美幸さんは、どんなアドバイスで成婚に導いたのでしょうか?

史上最速での成婚の鍵は、「行動力」と「決断力」でした イラスト/田中小百合
史上最速での成婚の鍵は、「行動力」と「決断力」でした イラスト/田中小百合
◆今回の婚活女性◆
池内奈美さん(仮名)27歳
 擦れ違い生活と価値観の違いが原因で前夫と離婚。シングルマザーとして一児を育てながら、幸せな結婚生活を求めて「マリーミー」に入会。

「夢のような理想」は捨てて、子どもも自分も幸せに

 皆さんは、男性に素直な気持ちを伝えて甘えることができますか? 今回ご紹介するのは、入会から8日間で「超スピード婚」を果たした女性のお話です。

 相談者は、子どもを育てながら働くシングルマザー・池内奈美さん、27歳。彼女は、忙しい夫との擦れ違い生活や、夫が仕事ばかりで家庭を顧みないなどの家事・育児に対する価値観の違いが原因で離婚を経験。今度は幸せな結婚生活を手に入れたいと願って、結婚相談所に入会した女性です。

 仕事と子育てを両立する中、何とか時間をつくって相談所にやって来た奈美さん。よく「忙しい人ほど仕事が早い」と言いますが、彼女もまさにそのタイプで、月曜日に「マリーミー」にやってきた時点で入会書類をすべてそろえていて、火曜日から本格的に婚活をスタート。入会当初から、「行動力」と「決断力」には目を見張るものがありました。

 奈美さんの結婚の条件は、経済的に自分と子どもを支えてくれる人。彼女自身も一生懸命働いていましたが、やはり一人で子どもを育てるのは大変だったようで、お相手の男性には「経済力」を求めていました。

 しかし、奈美さんは子どもの将来のことを考え過ぎてしまったのでしょう。カウンセリングでじっくりと話を聞いていくと、「学歴も収入も高く、都心に一軒家を持っている男性で……」と、どんどん理想が膨らんでいきます。

 確かに理想を高く持つことは大切だとは思いますが、その理想は「現実」に根差したものであることが重要です。「都心に一軒家のある状態」は、誰もが夢見る理想かもしれませんが、それが奈美さんと子どもの幸せに直結するとは限りません。

 私は、奈美さんの頭の中で膨らんでいる理想が、本当にご自身とお子さんの幸せにつながるのか、もう一度考えてほしいと思い、「子どもにとって何が幸せか、どんな相手なら子どもと自分が幸せになれるのか、改めて考えてみませんか?」と提案しました。

「奈美さん、確かに経済的に支えてくれるという点は、今のあなたとお子さんにとっては重要だと思います。ただ、それだけで幸せになれるのか、もう一度冷静になって考えてみましょう。

 あなたが再婚して生活が変化することは、お子さんにとっても大きな変化です。お子さんのことを第一に考えるなら、経済面の他にも大切なことがあるはずよね?

 過去を思い出させるのは心苦しいけど、前の結婚生活のことを振り返ってみて。あなたは、今度はどんな家庭にしたいと考えているの?」

 忙しい毎日を送っていると、冷静に考える時間も余裕も失いがち。でも、そんなときこそ一度立ち止まって考える時間が必要です。

 奈美さんの場合であれば、前回の結婚から得た教訓があるはず。彼女にはその教訓を生かして、今度こそ現実に根差した理想の家庭を手に入れてほしかったのです。

 一方、奈美さん自身は、もともと素直で柔軟性のある女性。カウンセリングを通して私の話に耳を傾け、自分の過去としっかり向き合う時間をつくってくれました。

 そして、「今度は仕事だけでなく、家族との時間も大切にしてくれる家庭的な人と結婚したいです。子どものことや、子どもの将来のことを一緒に話し合える相手と出会いたいです」と、本当に大切なことを思い出してくれました。

 誰もが思い描く「夢のような理想」ではなく、こうした「自分の本心に基づいた理想」が見つかれば、理想の相手と出会ったときの直観力も磨かれます。実際、奈美さんはなんと8日間の婚活で、お相手の男性と出会って成婚を果たしたのです。