どんな「結婚スタイル」が幸せなのかは、人それぞれ。視野を広げることで、新たな可能性が開けることもあるはずです。今回登場するのは、北海道で医師として働く40代の女性。地元の相談所で入会を断られた彼女に、東京・青山の結婚相談所「マリーミー」代表の植草美幸さんは、どんなアドバイスをするのでしょうか?

「別居」という選択肢があると、可能性が広がるかも イラスト/田中小百合
「別居」という選択肢があると、可能性が広がるかも イラスト/田中小百合
◆今回の婚活女性◆
畠中景子(仮名)41歳、医師
40歳以上で再婚、さらに年収が高いことを理由に、地元・北海道の結婚相談所で入会を断られる。その後、書店で見つけた植草さんの著書を読み、北海道から相談に訪れて「マリーミー」に入会。

婚活は「自分探し」、本当に結婚が必要か自問自答

 「結婚とはこういうもの」と、固定観念に縛られてはいませんか? 今回は、思い込みにとらわれず、「尊敬婚&別居婚」という新しいスタイルの結婚を選択した女性のお話です。

 相談者は、北海道で医師として働く畠中景子さん、41歳。40歳以上であることと再婚であること、年収が高いことを理由に、地元の結婚相談所では入会を断られてしまった女性です。

 私の著書を読んだことがきっかけで、はるばる北海道から東京まで相談に来てくださった景子さん。彼女は20代の時に離婚を経験していましたが、将来のことを現実的に考えた結果、もう一度「結婚したい」と考えていたようです。

 相談に来られた当初の希望は、「年収1000万円以上」の男性。ご自身も高い収入を得ている身であるため、自然とこうした収入条件が出てきたのだと思います。

 しかし、改めて考えてみると、彼女の職業は医師。金銭面で男性に頼る必要はなく、定年もないので、その気になれば何歳になっても働き続けられる職業です。

 そのため、あえて「年収」を条件に挙げる必要があるのか。そもそも、本当に自分の人生に結婚が必要なのか。まずはそこから掘り下げて考えてもらいたいと思い、私は彼女に問いかけました。

 「景子さん、婚活は『自分探し』です。今は結婚したいと思っているかもしれませんが、本当にあなたの人生に結婚が必要なのかを、もう一度考えてみてください。婚活は、自分の人生に冷静に向き合うチャンスでもあるんですから」

 「結婚したい」と相談に来ている人に、「本当に結婚したいのか」と問い返すアドバイザーは、かなり珍しいかもしれません。

 しかし、結婚の目的や意志が曖昧であればあるほど、成婚が遠のいていくのも事実。

 景子さんが、北海道から私の著書を握りしめて来てくれるほど熱意のある女性だったからこそ、私もよりいっそう真剣に、彼女と向き合おうと決めていたのです。

 一方 景子さんも、こうした私の問いかけに真剣に応えてくれ、ノートに自分の気持ちを書きつづるなどして、結婚に関して自問自答を繰り返す日々を送りました。

 そして彼女が出した答えは、「やっぱり結婚したい」「私は必ず結婚する」という、迷いのない力強い結論でした。