市販の目薬の選び方やまぶたのピクピクの謎、近視にまつわる都市伝説まで、目に関する素朴なギモン、悩みについて、吉祥寺森岡眼科院長の森岡清史さんに聞きました。

まぶたのピクピク、目を酷使すると頭痛のナゼ、眼科医に聞きました (C)PIXTA
まぶたのピクピク、目を酷使すると頭痛のナゼ、眼科医に聞きました (C)PIXTA

Q.目の充血を取る目薬が手放せません……。このまま使い続けてもいいものでしょうか?

A.日常的に使うのはNG。充血を起こしている根本原因の対処を

 「白目をクッキリさせる、充血を取る、といった目的の点眼薬が販売されていますが、これらにはたいてい血管収縮剤が配合されています。成分名は、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリンなど。血管収縮剤を点眼すると、目の血管が収縮するので一時的に充血が引きますが、充血を引き起こしている病気そのものを治す作用はありません。

 充血は細菌の感染やドライアイ、眼精疲労などでも起こります。充血を取る点眼薬で対処するのではなく、根本の治療をしましょう」

Q.目薬って目の真ん中をめがけて差せばいいんですよね?

A.黒目は避けて、下まぶたや白目の部分に点眼しましょう

 「角膜を守るためにも、点眼薬は黒目の上に落とさないほうがいいでしょう。下まぶたに点眼し、差した後は軽く目を閉じて点眼薬を眼球全体に行き渡らせるようにしましょう」

Q.裸眼だと見えにくい状態。ついメガネを使わないで過ごしてしまうけれど、視力が落ちるってホント?

A.本当です。我慢せずに適正に視力を矯正しましょう。

 「度数が合わないメガネをしたり、近視なのに裸眼で過ごしたりしていると、目に余計な負担をかけることになり視力がさらに低下することがあります。コンタクトを外した後にメガネをかけずに過ごす人も多くいますが、コンタクトを外した後は、メガネをかけることを習慣化したほうがいいでしょう。

 我慢して裸眼でいる人は、見えにくいままの状態を放置せず、適正に矯正すると目の疲れも軽減されますよ」

Q.年齢とともにドライアイが進むってホント?

A.本当です。毛細血管の血流低下で涙の量も減ります。

 「涙の成分の多くは水分です。主涙腺と呼ばれる器官の毛細血管から取り込まれた血液から、赤血球などの成分が取り除かれて涙になります。毛細血管の血流は加齢によって低下するため、年齢を重ねると涙の産生量自体も減ってしまうのです。血流を良くするためにも、目を温めることは効果的です」

Q.大人になると、近視が進まないってホント?

A.大人でも近視は進みます。眼精疲労でも近視は進行

 「目に入ってきた光は、目の奥の網膜に焦点を結ぶことで見える仕組みになっています。近視の目は、網膜よりも手前で焦点が結ばれている状態。その原因として、角膜から網膜までの長さ(眼軸長=眼球の長さ)が長いことや、角膜や水晶体の屈折異常があります。

 近視の多くは、学童期に眼軸長が過度に伸びてしまうことで起きますが、通常、20歳ごろまでには眼軸の長さは確定します。大人になってから水晶体の厚みの調節を行う毛様体筋の緊張によって近視の状況が悪化し、眼軸が伸びて近視が進むことがあります。見えにくいと感じたら、検査を受けましょう」