読者のなかでもコンタクトレンズを使用している人は多いと思います。コンタクトレンズユーザーの間でよく聞かれるのが、「目が乾いた感じがする」「ゴロゴロとする」といった装用時の不快感。目薬などで対処するも、「コンタクトレンズだからある程度は仕方ない……」と諦めている人も多いようです。

コンタクトレンズ装用時の不快感、我慢していないですか? (C)PIXTA
コンタクトレンズ装用時の不快感、我慢していないですか? (C)PIXTA

 「コンタクトレンズの間違った使い方が原因で、眼精疲労を引き起こしているケースが多い」と「吉祥寺森岡眼科」院長の森岡清史さんは指摘します。そこで、コンタクトレンズを快適に使うためのコツを教えていただきました。

パソコン作業はコンタクトよりメガネが適している

 パソコンを長時間作業するときは、コンタクトよりもメガネのほうが目の負担が少ないと森岡さんは言います。

 「コンタクトレンズは、視力1.5まで完全矯正する場合が多く、基本的に遠くを見るように合わせてあります。一方、メガネで1.5まで矯正するとくらくらしてしまうため、1.0前後の矯正をするのが普通です。つまり、遠くを見る視力が弱いメガネを掛けているほうが、コンタクトレンズ装着時より、近距離を見る時の毛様体筋への負担が少ないのです。また、コンタクトレンズは角膜に直接レンズをのせるため、ドライアイになりやすい。ドライアイは近年、眼精疲労の原因として注目されています」(森岡さん)

 パソコン作業のときはメガネを使うのが理想ですが、コンタクトレンズを使用する場合も、気を付けたいポイントがいくつかあります。

「12時間ルール」を守る

 コンタクトレンズ装用時間の理想は「12時間」。12時間入れたら12時間は目を休ませたいものです。例えば、朝7時に着けたら、夜7時に外すのが理想。しかし、仕事の後に予定があったり、残業があったりする日は12時間を超えてしまいますよね。その場合は、午前中はメガネで過ごし、昼休みにコンタクトレンズを着けるなどして、装用時間が長くならないよう工夫しましょう。

定期的に健診を。レンズのサイズも確認

 今や、コンタクトレンズは受診しなくてもネットで購入することもできますが、3~6カ月に一度は健診を受けたほうがいいでしょう。自覚症状がなくても、自分では気付かないトラブルが進行している可能性があります。

 また、日本人の角膜の直径の平均は10~11ミリ前後。ソフトタイプのコンタクトレンズの直径の平均は14ミリ前後です。コンタクトレンズは、角膜の大きさに対して大き過ぎても小さ過ぎてもよくありません。小さ過ぎると角膜上での安定が悪く異物感の原因になり、大き過ぎると角膜を覆い過ぎるため、角膜に負担がかかります。自分に合ったサイズかどうか、購入時は健診を受けて医師に確認するようにしましょう。

目薬を差す

 コンタクトレンズをしている時の違和感の改善に点眼薬は効果的です。市販の点眼薬なら血管収縮剤が入っていないものを選びます。防腐剤の有無についてはそれほど気にする必要はありません。

 涙の分泌量自体は決して少なくないのに、涙が蒸発しやすい「蒸発亢進(こうしん)型」のドライアイが増えていますが、市販の多くの点眼薬の成分はほとんどが水分なので、潤いがとどまりにくいです。市販薬の中から選ぶなら、水分を抱え込むヒアルロン酸が配合されたものを選ぶといいでしょう。

 決められた容量・用法以上に点眼しないと乾いてしまう人は、根本的な見直しも必要です。コンタクトレンズの装用時間を減らしてメガネを併用する、パソコン作業の時間を減らすことも必要です。根本原因を突き止めるために、受診するといいでしょう。

「午前中はメガネ」「週に数日はメガネ」というように、コンタクトで過ごす時間を調整しましょう
「午前中はメガネ」「週に数日はメガネ」というように、コンタクトで過ごす時間を調整しましょう