目の負担を減らすスマホとの正しい付き合い方
ネットやSNSだけでなく、カメラやゲーム、スケジュール帳など多用途をこなすスマホは、私たちの日常生活に侵食してきます。できるだけ目を酷使しない、スマホとの正しい付き合い方を森岡院長に聞きました。
画面の照度を調整する
過度に明るい画面は、眼球にとってストレスになります。特に、もともと瞳の虹彩の色素が薄い人や、疲労によって瞳孔の動きが鈍っている人は、目の中に余分な光が入りやすくなります。
スマホを見る時は、文字が見えにくくない程度に照度を落とすといいでしょう。周囲の明るさに応じた画面照度の自動調節機能をONにすると便利です。
画面は目からなるべく離す
画面との距離が近くなるほど、毛様体筋の負担が増えます。画面はなるべく目から遠ざけるようにしましょう。
寝る30分前はスマホを見ない
目の疲れを助長するだけでなく、副交感神経への切り替えがうまくいかなくなり良質な睡眠を妨げます。寝る30分前のスマホやPCは避けましょう。
スマホを使うときはメガネにする
コンタクトレンズはメガネよりも度が強めに設定されているので、近距離を見る時は毛様体筋が疲れやすくなります。スマホやパソコンを使う時は、メガネにするほうがベターです。
スマホの使用時間を極力減らす心掛けは、本当に大切です。
デジタル機器の使用でドライアイになる理由とは?
長時間PCやスマホを使用していると、目がショボショボしたり、乾いたり、重たくなったりすることがあります。さらに進むと、目だけでなく頭痛や肩凝りが起きることも。
ドライアイ
仕事でPCを使う人のなかで、ドライアイに悩まされている人は多いのではないでしょうか。試しに10秒間まばたきせずに目を開けてみてください。目が乾いて開けていられないという人はドライアイの可能性が高いでしょう。
ドライアイは「蒸発亢進(こうしん)型」(涙が蒸発してしまう)と「分泌減少型」(涙の分泌量が減ってしまう)の二つに大きく分けられ、若い人の間で増えているのが「蒸発亢進型」のドライアイです。
涙の成分は「脂層」、「涙液層」「ムチン層」の3層構造になっています。まばたきをすると、マイボーム腺という部分から脂分が出ることで、涙が蒸発するのを防ぎます。
しかし、PCやスマホを長時間使うとまばたきの回数が減るため、脂分が減って涙が蒸発しやすくなるのです。これが、「蒸発亢進型」ドライアイです。目の表面が乾くと、傷つきやすくなってしまいます。パソコンやスマホを見る時は、まばたきの回数を意識するといいでしょう。