今回は、ドライアイ、痙攣(けいれん)、眼瞼(がんけん)下垂など、眼精疲労によって引き起こされるさまざまな目のトラブルについて、吉祥寺森岡眼科院長・森岡清史さんの解説でお届けします。

20代でも要注意。近くがぼやける「スマホ老眼」とは?

 「スマホ老眼」という言葉を聞いたことがありますか? これは、スマホなど近距離のものを長時間見続けることで、まるで老眼のように近くが見えにくい状態になってしまうこと。年代を問わず、20代の若い人でもなる可能性があります。

 「物を見るとき、目はレンズの役割をする水晶体の厚みを変えることでピントを合わせています。この調整を行うのが水晶体を取り囲む毛様体筋という筋肉。

毛様体筋が、水晶体の厚みを変えてピントを調整しています (C)PIXTA
毛様体筋が、水晶体の厚みを変えてピントを調整しています (C)PIXTA

 近くを見る時には毛様体筋を緊張させることで水晶体を厚くし、遠くを見るときは毛様体筋を弛緩させることで水晶体を薄くします。しかし、近距離作業が続くと毛様体筋が緊張を強いられるため、調節機能が低下してピントが合わなくなり、若い人でも老眼のような症状が出るのです」(森岡さん)

 通常の老眼は、このピント調節を司る毛様体筋の老化によって起こります。

 通常、50歳前後くらいから老眼鏡が必要になる人が多くなりますが、日ごろからスマホやPCで毛様体筋を酷使し続けていると、毛様体筋の劣化が早まって40歳くらいから本格的な老眼が進んでしまう人もいるそうです。

 目の老化を遅らせるためにも、スマホとの付き合い方を見直す必要がありそうです。