気になる彼や同性からも“もっとモテたい!”。そんな想いは誰の心の中にもあるはず。美容を知り尽くした美容ライター・長谷川真弓さんと、男性美容研究家・藤村岳さんが交代で書き綴る『モテる美容学』は、美容の観点からモテの心理までをひも解くふたりによる連載です。第6回のテーマは「美容整形」についてです。

 こんにちは、男性美容研究家の藤村岳です。今回のお題である整形。なんと難しくデリケートな話題でしょうか。これからお話しするのは男性一般の意見というよりは、ボクはこんな風に考えていますという個人的な見解です。

■整形……人それぞれに事情あり

 以前、話題になったテレビ番組『ビューティーコロシアム』。様々な人が様々な理由から整形やスタイリングによって見た目を変えるという番組でした。毎回はチェックできませんでしたが、時間があるときはなるべく観るようにしていました。

 そこで学んだのは、人には事情があるということ。当たり前、と思われがちですが、案外忘れてしまうもの。自分の中や同じような価値観を持つ人たちの中での“常識”にとらわれてしまうと、つい見えなくなってしまいます。

 整形をこのような俎上(そじょう)に載せるときにも、そのことを念頭に置いておかないといけない、とボクは思うのです。

■心が健康になるための整形もある

 はっきり言うと、「整形はしたければ、すればいい」と思っています。鼻が低い、シワが気になる、胸が小さい、たるみが嫌だ……と人の悩みは尽きないもの。できればなんとかしたい、と思う箇所はよほどの完璧な人でない限り、どこかあるはず。

 でも、毎日、眠れなくなるほど気になったり、それが原因でイジメを受けたりするならば、直してしまえばいいんです。精神的に参ってしまうストレスを抱えている方がよっぽど不健康だと思うんですね。

 もちろん、整形に限らず、体にメスや薬、あるいは異物を入れることはリスクが伴います。安易に奨励するというのではなく、そのリスクも考慮した上で慎重に決めるべきですが、やはりツライなら前向きに検討してもいい。

 「親からもらった大事な顔や体を傷つけて」という儒教的な価値観もあります。たしかにそれも一理あるかも。でも、心が傷ついているのを放っておいてまで押し通すことが、果たしていいことなのでしょうか?

 もし、誰かが造作が原因でイジメを受けていて、それが原因で自殺してしまったら、どうでしょう。それでも「親からもらった~」なんてことを言えますか? 違いますよね。もちろん、そこまで深刻な状況はそう多くない、と思いたいところですが……。

 「ここではもっとカジュアルな整形を扱っているんです」という場合、それでもやはり整形してもいいと思うんですよね。悩みの度合いなんて、明確な基準があって数値化できるものではありません。当事者にしかわからないこと。心が健康になるために整形という手段を選んでも決して間違っていないと思います。

 たとえば、好きな人や友達が整形をしていたとして、それを事情ごと告白してくれたら、ボクは決してそのことで嫌だとは感じませんよ。これ、世の男性もきっとそうなんじゃないかなあ。