■親切の押し売りをするのが煩わしい

 だからといって、すべてこっそりやれというのではなく、SNSで自分がいいと思う物事を発信できるのが今どきのいいところ。共感した人が繋がり、新たなコミュニティができているのも事実。意識の共通する仲間内でワイワイやるのは楽しいですよね。

 そこで、イタイ女性かどうかの分かれ目が、“さじ加減”だと思うのです。オーガニックは単にフィルターであって、目的になってしまうのは違う。

 化粧品だってそう。防腐剤が心配だから精油などで手作りする人もいるでしょう。でも、防腐剤が入っていないから、保管や使用する期間に留意すべきだし、柑橘系の精油なら光毒性の心配もあります。自分で使うならいいですが、求められて、それをきちんと説明しないまま、人にあげて肌トラブルが起きたらどう責任をとるのでしょうか? 少し前に流行った酵素ドリンクなんて、ボクは素人が作ったものを申し訳ないけど、信用できません。

 最近はかなり改良されましたが、初期のオーガニックシャンプーは泡立ちが悪かった。洗えている? と思うことさえ。そんな使い勝手の悪さをガマンしてでも、石油系の界面活性剤が入っていないものを選ぶというのも否定しません。

 オーガニックにハマる人って、善意なんですよね。悪気はない。でも、相手のことを思いやるというより、親切の押し売りみたい。これ、困りもの。悪意がある方が対処って簡単です。少し前に「あなたのためだから」というCMありましたよね。あの感じ。選択肢を相手に与えないという点で閉口。

 「あなたのため」と言われると、むげにもできない。きっと真面目な人ほど、やっかいです。でも、押しつけられるだけでなく、自分がそうなってしまう可能性も大いにあるわけで。モテたいなら、距離感を覚えましょう。押しつけ女子にならないよう、ご用心!

文/藤村 岳 イラスト&写真/yozora、tooru sasaki(PIXTA)