気になる彼や同性からも“もっとモテたい!”。そんな想いは誰の心の中にもあるはず。美容を知り尽くした美容ライター・長谷川真弓さんと、男性美容研究家・藤村岳さんが交代で書き綴る『モテる美容学』は、美容の観点からモテの心理までをひも解くふたりによる連載です。

(C)PIXTA
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 こんにちは、男性美容研究家の藤村岳です。美容を切り口にしたこの連載では様々なことを扱ってきましたが、このテーマで最終回を迎えることになりました。同テーマを男女のギャップで読み解くという形はボクにとっても新鮮で、たくさんのご意見や賛同を得られたことを大変うれしく思っています。さて、そんな最後のテーマは“年齢と見た目”についてです。

自分に自信がないから、見た目に囚われる!?

 男女ともに言えますが、 “年齢を受け入れていない人は、自分を受け入れていない”のではないでしょうか。今の自分に自信がないから、せめて格好だけでも若く、もしくは落ち着いて見せようとしてしまう。

 これは、たとえば子どもが背伸びして大人ぶるのとはわけが違います。そこには前向きな意志を感じられますが、ウソの塗り重ねのような若作りは、あえて現実を直視しない後ろ向きなものが見え隠れ。そこに違和感があるのは、悪い意味でのギャップを周りも、そして自分も感じ取っているから。では、事例を見ていきましょう。

 先日、テレビ朝日の『聞きにくい事を聞く』という深夜番組を観ていたら、女子会に潜入して「なぜ若作りするんですか?」と、聞いていました。その反応を見ていると「愛されたい」「いつまでも現役でいたい」という答えばかり。「いいえ、私は若作りなんてしていない。自分の好きな服を着ているだけ」と言う女性がいなかったのが残念でした。「若作りなんて、コスプレよ」と笑い飛ばしてくれる女性がいたら素敵だったのに。

 そこに登場していた若作りと言われた女性たちは、結局、他人からの見た目ばかりを気にしていました。それなのに気持ちが先走りすぎて客観性が失われているため、ちぐはぐになっていることには気づいていません。

 なんでも、大正から昭和にかけて“バックシャン”という言葉が流行ったとか。英語のbackとドイツ語のschöenの合成語で、後ろから見るには素敵という意味。なんだか失礼な言葉ですが、昔から、そういうちぐはぐさはあったというわけです。

 もう、“若い=善”のような古くさい価値観から脱却しましょうよ。今の自分をきちんと肯定すれば、無理して若作りしないで済みます。そんなことしなくても、「ほら、私は素敵でしょう」と堂々と言えるはず。きっとそんな女性が強くて美しいんですよね。