心を満たしてくれる、バイオリンとペットのハムスター

――普段の“お金の使いどころ”は、どんなところでしょうか。

 「趣味でバイオリンを習っていまして、その月謝が1万円です。完全に初心者だったのですが、試しにと思って始めてみたらハマってしまって。1年ほどたって弾ける曲がどんどん増えてきて、幸せを感じています。最近は、他の方とアンサンブルができるようになってきたので、仕事以外の友人関係が広がることも楽しいですね。生涯続けられる趣味にしていきたいと思っています。

 また、ペットでハムスターを飼っています。夏も冬も温度を一定にさせてあげたいので、部屋のエアコン代が月に2000円程度はアップしていますが、これは絶対に削りたくないお金ですね。飼おうかどうか迷ったのですが、飼うことによって生活にメリハリが出てきて本当によかったです。一緒に遊んであげたり、掃除をしてあげたりするために、朝ちゃんと起きて、夜も早く家に帰るようになりました。家で自分を待っていてくれるコがいると思うと、精神的な支えになりますね。かわいいしぐさや、安心しきって寝ている姿に本当に癒やされます。このコのためにも、健康でいて、仕事も頑張らなくてはと思います」

――聞きにくいお話ではありますが……以前、結婚を考えていた彼と別れたときも、大きな転機だったとお聞きしました。

 「はい、33歳くらいの出来事です。彼から別れを切り出されましたが、私はとても好きだったので何とかしてやり直したいと思っていたんです。別れても友達関係は続いていたので、いつかまたヨリを戻せるかも……と思っていたのですが、別れてから2年後に、彼が別の人と結婚するという話を聞いて、諦めがつきました。この2年間、時間を無駄にしてしまったなと思いました。

 実は、その2年間で、ヨリを戻す方法についての本や占い、有料メールマガジンなどにお金をつぎ込んでいました。少なくとも5万円は使ったと思いますが、結局何の役にも立たず、お金も時間ももったいなかったなと感じています。今となっては、それらもすべて、自分の人生経験となっているんですけれど……。

 もしかしたら生涯独身かもしれないと思っているので、リタイア後に住む家については気になっています。でも、同じようなおひとりさまが増えていると聞くので、生涯独身者向けサービスが増えていくのではと思い、それに期待をしているところです」

――貯蓄を意識することで、人間関係などに変化はありましたか。

 「自分の本当に興味があるもの、お付き合いしたい相手をよく選んで考えてお金を使うようになりました。そのほうが、もしたくさんお金がかかったとしても満足できるのだと分かってきたからです。

 もともと女子特有のべったりの付き合いは苦手だったのですが、貯蓄や投資を始めてからは、単に同期や学生時代の仲間だからといって、特に興味がない相手とは、わざわざランチに行くということはやめました。逆に、本当に好きな人や、人間的に尊敬できる人、こうなりたいと憧れている人に絞って、よく会うようになりました。