iDeCoは自分で将来の年金をつくれる制度

 最近よく耳にするiDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称。自分自身で、将来の年金をつくる仕組みです。

「高齢化社会が進み、国が年金を準備する余力がないことが背景にあります。分かりやすくいうと、『税制優遇してあげるから、年金を一人一人で準備してくださいね』という制度だと考えてください。頭文字の『i』には、『自分で』つくるというメッセージが込められているそう。税制優遇の面は特にお得なので、検討する価値はあると思います」(高山さん)

iDeCoに加入するための手順を確認!

iDeCoに加入したいと思ったら、まずは会社に確認します
iDeCoに加入したいと思ったら、まずは会社に確認します

 会社に勤めている人がiDeCoに加入したいと思ったら、まずは自分が加入できるのかを会社側に確認しましょう。

「企業年金や企業型確定拠出年金を導入している会社の場合、『iDeCoに入ってもいい』という規約が会社にないと、入れない仕組みになっているからです。会社の総務や人事などに確認してみてください」(高山さん)

 iDeCoに入れることが分かったら、次は掛け金の上限をチェックしましょう。

「会社の年金制度等によって、毎月の掛け金の上限額が決まってきます。確定給付年金も企業型確定拠出年金もなければ、月に2万3000円が上限です。公務員なら1万2000円が上限。ちなみに、月の最低金額は全員一律で5000円です」

 ただし、iDeCoのお金は原則的に60歳まで引き出しができないので、その点は注意が必要です。

 そして、自分の掛け金の上限額を把握したら、金融機関を選んで申し込みます。

「手数料の面や利便性を考えるとネットの金融機関がオススメですが、説明などを直接聞きたい場合は店舗型の証券や銀行を選んでもいいでしょう」(高山さん)

 自分が老後、どれだけ長生きするかは分からないため、老後資金はしっかり準備しておくに越したことはありません。年金制度の仕組みや、自分のケースをよく理解して、足りない分を準備していきたいですね。

聞き手・文/西山美紀 イラスト/渡辺あやね