3.紙に書き出す

 それは、「紙に書き出す」ということです。文句や不満を紙にぶつけるのです。

 あなたが言い訳したいこと、誤解を解きたいこと、本当は言いたいけれど言えなかったことなどを、片っ端から紙に書き出してみます。ポイントは「出し切る・書き切る」ということ。

文句や不満は、紙にぶつけましょう 写真/清水知恵子
文句や不満は、紙にぶつけましょう 写真/清水知恵子

 このメモは、誰かに見せたりするものではないので、安心してあなたの思っていること・感じていることを率直に書いてみてください。

 一般的に、会社でも役職が上がったり、影響力が大きくなると、人に言えないこと・相談しにくいことも増えていきます。特に、高い役職に就いている女性は、男性からの嫉妬や女性からの妬みなど、弱みを見せられないことも多いです。紙への書き出しは、ガス抜きの効果もあります。

 自分の中で消化し切れない考えや感情をそのままにしておくと、頭の中の思考が堂々巡りとなりがちです。そのままでは、先に進めないのです。そんなときは、すかさずアウトプットするのがオススメ。人からどう見られるか、批判・評価・目を気にしないで、率直にアウトプットしてみてください。

 頭の中や気持ちでスッキリしていないことを文字化、すなわち「見える化」するわけです。すると、頭の中で抽象的に考えたり、おなかの辺りでモヤモヤしていた感情が、具体化・可視化されるので、思考も感情もスッキリします。

 そして、書き出したメモは、破いて捨てるかシュレッダーにかけてしまいます。視界から消えることで愚痴や悪口を言いたい意識が表面化しにくくなります。頭の中で思考をぐるぐると駆け巡らせているより、さっさと文字化して自分でクリアリングできると、気持ちが切り替えられるのでオススメです。

 結局、自分がコントロールできないこと(上司やお客様の反応など)に対していくら愚痴を言っても事態は一向に変化しません。それなら自分自身でコントロールできることに目線を切り替えて、小さく行動することをオススメします。主体的な小さな一歩から。環境に振り回されるより、自分で環境をつくっていけると、仕事での充実感も味わいやすくなりますよ。

文/大平朝子 イラスト/三ツ木朗恵 写真/清水知恵子