本当は心のどこかで「何かが違う」「やめたらきっと楽になるはずなのに」――。そう思いながら、今の場所に居続けてしまう(目の前の物事をやり続けてしまう)ってことありませんか? 時として、何かを始めることより、やめることのほうが難しい場合があります。それは、手放すことへの勇気と覚悟が必要だから。
心に渦巻く葛藤と向き合いながら、恋愛、仕事、家庭、ダイエット……いろんなジャンルで「やめる」決断を下し、新しい幸せを手に入れた女性たちがいます。そのストーリーを全7回でお届け。第5回は、コーチングのプロとして独立し、集客のためキラキラ演出に力を注いでいた聡美さん(37歳)が、本当の思いに気付き、自分らしい生活や働き方を取り戻すまでの道のりをお伝えします!
コーチとして独立するも、人の心の闇に触れ、技量のなさを痛感
――会社員をしながら、カラーセラピーやさまざまなコーチングの技術を学んできた聡美さん。31歳になった時、結婚して生活が落ち着いたこともあり、思い切って会社を辞めて独立しようと決意。コーチとして、新たに個人セッションをスタートさせた。
聡美さん それまで学んできたカラーセラピーとコーチングの技術を使い、「自分が本当にやりたいことを見つける」ためのコーチングセッションを開発しました。といっても、最初からクライアントさん(お客さん)がいたわけではないので、まずは友人つながりで何人かモニター(無料)をしてもらうことに。
経験を重ねるごとに少しずつ自信がついてきたので、正式にセッション料金をいただくプロとして、ブログやメルマガなどで集客を始めました。定期的にコーチングを受けてくれるクライアントさんも口コミで2人、3人と増えていき、このまま順調に広がっていくんだろうなと思っていました。
ところが、半年ほどたった頃に大きな壁にぶち当たりました。個人セッションをしていくと、その人の心の奥深い部分に触れることも多くなり、時に抱えきれないほどの「闇」も出てくるようになったのです。クライアントさんの心の闇にしっかりと対応していくためにはまだまだ自分の知識やスキルでは足りない。もっと専門的に学びたいと思い、心理学やカウンセリングの講座に通うことにしたんです。
――講座には、コーチやセラピストなどの同業者や、整体師・占い師など個人で独立起業したばかりのメンバーが数多く参加していた。そこで知り合った人たちと仲良くなり、横のつながりがどんどん広がっていった。
聡美さん 個人で仕事をしていると、人との交流が少なくなるからか、時々孤独感に見舞われるんです。「次はいつお客さんが来るんだろう。このやり方を続けていいのかな……」などと不安も襲ってくるので、同じような境遇の仲間と話すと安心できました。
そこからSNS上の友達も増え、いろんなお誘いも入ってくるようになったんです。
●いつの間にかキラキラ起業に仲間入り
●メイクはナチュラル→華やかに、毛先もふわっと巻き髪にイメチェン
●「素敵な時間を共有できました☆」自撮りで必死にアピール
●集客や収入は思うよう伸びず、SNSにも嫌気が差して……
●本当にコーチがしたかったのか? 根っこの思いを見つめ直した
●会社員として再出発。見つけた幸せの形とは?