本当は心のどこかで「何かが違う」「やめたらきっと楽になるはずなのに」――。そう思いながら、今の場所に居続けてしまう(目の前の物事をやり続けてしまう)ってことありませんか? 時として、何かを始めることより、やめることのほうが難しい場合があります。それは、手放すことへの勇気と覚悟が必要だから。
 心に渦巻く葛藤と向き合いながら、恋愛、仕事、家庭、ダイエット……いろんなジャンルで「やめる」という決断を下し、新しい幸せを手に入れた女性たちがいます。そのストーリーを全7回でお届け。第2回は、仕事も恋愛も低迷し、幸せグッズに頼ってしまった優子さん(36歳)が、ある出会いをきっかけに断捨離を決行し、人生が好転したお話です。

優子さん・36歳
<スピ依存をやめたら、負のスパイラルから抜け出せた>
出版不況により、雑誌の編集職からWeb制作会社に転職。合わない社風と面白みのない仕事に不満を抱え、その上恋愛もうまくいかず、負のスパイラルに。その状況を打開するべく、運気を上げるスピリチュアルグッズや占いに頼る生活にはまるも、効果ナシ。優子さんは「スピ依存」からどう抜け出して、人生が好転したの?

望まぬ転職を機に、仕事も恋愛も負のスパイラル状態へ

――編集の仕事にやりがいと充実感を感じていた優子さん。だが、担当していた雑誌の売れ行きが悪化し、休刊に追い込まれた。契約社員だったため、期間満了とともに転職活動をすることに。出版業界はどこも厳しく、これまでと同じような編集職が見つからず、Web制作会社のマーケティング職に応募。無事に採用が決まり、しかも正社員として勤務することになった。

優子さん 33歳になっていたので、「正社員」という処遇はありがたかったですが、微妙に社風が合わないという違和感がありました。「チームで和気あいあいとクリエーティブな仕事ができるのかな」と思いきや、意外と皆個人プレーで保守的な職場だったんです。私自身、若い頃の勢いを失っていたせいか次第にその空気にのまれ、任された仕事を淡々とこなすようになっていました。残業も多かったですね。

 彼氏もいるにはいましたが、ちょっとワケありで。編集者時代に出会った、バツイチのカメラマンです。50歳近く、一回り上でしたが、センスがよく、見た目も同世代ぐらいにしか見えません。ただ、わがまま&気分屋で突然約束をドタキャンされたり、振り回されたりするのが難点でした。収入面でも安定していなかったようです。彼との結婚を想像すると、明るい将来は描けませんでした。でも、一緒に過ごす時間は楽しいので、つい、関係を続けていました。

 こんな感じで、仕事も恋愛もいい状況ではなく、ストレスはたまっていきました。気持ちをスカッと解消させたくて週末に飲み仲間と深酒することが増え、家で「一人晩酌」をすることも習慣になってしまいました。

――仕事も恋愛もパッとしない上に、連日のお酒で朝起きるのもしんどい……。すべてが八方塞がりに感じられ、負のスパイラル状態からなかなか抜け出せずにいた。

優子さん うまくいってないことって、近い友人ほど言えなくて。仕事でバリバリ活躍している子や、子育てを頑張っている子に自分の身の上を話しても、みじめになるだけ。誰にも打ち明けられず、何かこの状況をひっそり打開できる方法はないものかと、ネットで検索するようになったんです。

<次のページからの内容>
●毎晩、ネットで答えを探し回る
●きっかけは幸運のブレスレット、以後、グッズ集めに走る
●新たな一歩を踏み出すアラフォー先輩を見て、我に返る
●買い込んだ幸せアイテムを断捨離、モノ依存からの脱却
●断捨離作戦、グッズの次は彼との関係見直し
●もう、幸せアイテムには頼らない