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平成最後! 私たち女子が「もう、しなくていいこと」(3/3)

2018年12月25日

昭和の女性たちから進化を遂げた、平成を生きた私たちの軌跡

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あの女(ひと)に付いた値段

 17年間の専業主婦生活を経て、47歳で再就職した薄井シンシアさんは、現在日本コカ・コーラで東京2020年オリンピックホスピタリティの責任者を務めます。東京外国語大学を卒業して新卒入社した広告代理店を辞め、結婚以来5カ国で20年間暮らして子育てにひと段落ついた薄井さんが日本で電話受付として再就職した2011年、彼女に付いた値段は時給1300円でした。(参考記事:「薄井シンシア『専業主婦は立派なキャリア』という理由」

 それから7年。外資系一流ホテルでの営業開発担当副支配人というポストを経て、今では日本コカ・コーラでのお仕事の傍ら、女性人材サポート会社Warisでの戦略顧問として、ニューヨーク大学プロフェッショナル教育東京(NYU SPS東京)ホスピタリティ講座にも関わり、後進女性に向けたアドバイスにも活躍するシンシアさん。

 先日行われたWarisの、ホテル業界を志望する女性のための再就職支援事業「Warisワークアゲイン ホテルマッチングイベント」でのシンシアさんのスピーチは、サバサバとした彼女の口調で、深い思いが一層強調されたように思いました。

 「このイベントを、私は自らの17年間の専業主婦経験をもとに立ち上げました。2011年、時給1300円の仕事からもう一度始めた私のキャリアですが、それはどなたかが信じてくれた、チャンスをくれたことで始まったものです。就業ブランクのある女性を雇用する場面では、企業の皆様は履歴書で過去をご覧になります。でもここでもう一歩踏み込んで、過去ではなく可能性を見てほしいのです」

 「時給1300円の私には、あの時、可能性しかなかった。私は再就職を望む女性たちに対して、いつも『チャンスはもらえる。でもあとは自分たち次第』と念入りに言っています。ここにいるのは、そんな覚悟だけはできている6人の女性です」

私たちがもう、恐れなくていいこと

 かつて、女が一度専業主婦になったら、もう一生専業主婦なのだ(そうでなければならない)と社会が信じた時代がありました。

 結婚歴に一度バツが付いたら、それは経歴のキズなのだ、もう二度とまともには扱ってもらえないのだと、そんなふうにも社会が信じた時代がありました。

 平成最後の年、そんな世間の勝手な思い込みが、過去の遺物になろうとしています。再スタートが可能な、柔軟な社会がようやくやって来ました。

 女性も男性も、真面目な、あまりに生真面目な私たちは、転んではいけない、コースアウトしてはいけない、具体的な顔は見えないのに存在だけは肌感でひしひしと感じる誰かが決めたことや、その期待に沿わねばならない、とひたすら小さな努力を積み上げてきたように思います。

 転んでも巻き返せる。コースアウトしてもやり直せる。
 生きている限り、ゲームオーバーなんてない。

どんな人でもいつでもやり直せる、どんな生き方も選べる、そんな時代です(C)PIXTA

 それは、20代も30代も40代も50代も同じ。シングルもディンクスもバツイチもワーママもシングルママも同じ。

 どんなステージにいる人も、「平成最後の」私たちは、もう転ぶことやコースアウトを恐れなくていいのです。

文/河崎 環 写真/PIXTA

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Profile
河崎 環
河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川県育ち。家族の転勤により桜蔭学園中高から大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での生活を経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続けている。子どもは20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に「女子の生き様は顔に出る」(プレジデント社)
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