「男友達」「40代のモテ」に20~30代は何を思うか

 30代の時、やっぱり上の世代がふわふわしているのを見て、「おや?」と気付きました。20代で見たのとは別の人たちなのに、しかもそれまではしっかり手堅く生きていたような人たちが、40代になって何かほどけたようにふわふわし始めたのです。もしかして、40代はそれまでの思い込みや「常識」や呪縛から自由になる世代なのでは? 「こうでなければ」と一生懸命だった人たちが、それぞれの経験から来る自信で表情が緩み、行動がほどけ、でも飛んで行かない程度にその糸の端はしっかりとどこかに結んである。だからグレーも上手に楽しめているように見えました。そんなふうにこなれて自由になっていくお姉さんたちは少しカッコいいと思えました。

 さて、今の20代、30代の女性には、男友達、そして男友達とのオシャレな関係を築いている「STORY」的40代はどう見えているのでしょう。

「男友達がいる」ということについては共感です。私にも男友達はいます。信頼できる友達に男性も女性も関係ないから。特に、年齢が離れた男性の友達からは、自分の数段階上の視点でアドバイスをくれたり、納得いく言葉をかけてくれたりするので、尊い存在です。趣味が合う友達とは美術館に一緒に行くこともあります。でも、恋愛対象として見ることはないですね。個人的にはファッションもマナーだと思うので、性差関係なくオシャレはしています。(20代半ば・独身・女性)

男友達がいることは私にとっては当たり前のことです。ただ、20代まではいたのですが、結婚したり、相手に彼女ができたりして、ソウルメイト的な付き合いが難しく、今はいません。最近は、男女かかわらず「名前のない関係」が増えてきました。「知り合い」ではそっけないし、「仕事仲間」というほど仕事での距離が近いわけじゃない、プライベートでも仲良くしているけど「友達」というのはおこがましく、尊敬していて大好きな人。妙に異性を感じ過ぎるのはどうかなと思いますが、うっすらとした男女関係を楽しむのは、大人な感じがして私はいいと思います。(30代前半・独身・女性)

 そういえば、独身の20、30代にとっては「気の合う友達や尊敬する友達が、たまたま男性」なのはごく自然なこと。「STORY」の「元カレ作戦」や「男友達奨励」に異性を意識して「これはアリかナシか」と議論するのは、結局、婚姻関係なるものに行動どころか思考もガチガチに縛られてしまった人々のすることなのかもしれません。(フランスは遠い!)

20~30代女性も言う。「私達にも男友達、いますよ!」 (C)PIXTA
20~30代女性も言う。「私達にも男友達、いますよ!」 (C)PIXTA

 自分が40代に入って、周りが一斉にふわふわ(中にはじたばたも)し始めた時、いろいろな人の相談に乗って話を聞くうちに、やはりこういうことかと答え合わせをしたような気がしました。うむ、どうやらやはり、40代とはそういうグレーな季節なのである。人生に白黒つけなきゃとこだわるのはやぼである、人生とは白と黒の間の果てしないグレーのグラデーションでしかないのである、と理解したのでした。

 だから、時々思い出したように「濁ったおばさんにならないように、ちゃんとモテちゃえ!」と提唱するグレーなラブ(恋愛)アゲインは、R45の彼女たちにとって確かにあるだろうねぇ、としか思えないのです。それがグレーであろうが、結果として白黒はっきりつけようが、ピンクやブルーであっても。

 でも20~30代から見て、40代がちゃんとオシャレで恋愛気分を忘れないでいてくれる姿は、勇気が出ませんか?

 というわけで、やはり「STORY」さんは恋愛経験豊富なお姉さんたちの雑誌だけあって、「今」の女の人生に素晴らしい見識をお持ちなのでした。はぁ、私も鼻声が治ったら、カラオケで竹内まりやでも歌いに行くかな……ソロで……。

文/河崎環 写真/PIXTA