アラサーの視線はもっと冷ややかだ

 そんな上の世代の顛末を、社会のニーズを、アラサーはどこか諦めたような、冷ややかな視線で見ています。

■女性活躍という言葉が遠い。

■日々、仕事に忙殺され、恋愛迷子になっている私たちは、「産め、育て……」の時点でポカーンです。

■この「働け、産め、育て、介護して」の「働け」しか、条件を満たしてないんですけど、健康に働いて元気に生きているだけではダメなんでしょうか。

■独身、彼なし。結婚すら今、「無理ゲー」だと思ってる私たちは一体どうしたら。

「女性が輝く社会」の中でポキポキ折れないために (C)PIXTA
「女性が輝く社会」の中でポキポキ折れないために (C)PIXTA

 「(経済)成長の隘路(あいろ)たる少子高齢化を食い止めるために」と謳われた、一億総活躍プラン。これからさらに働き、産み、育て…を政府に期待されているはずのアラサー女子は、積み上がるばかりの要求を前に、「無理ゲー」「ポカーン」と戸惑いを示しています。

 もし、ノーを言えずに迷っていたり、不安を感じていたりするアラサーがいれば、どうか伝えてあげてください。ノーでいいんです、と。

 できないことには「無理だ」と正直に言う。押し付けには従わない。それが、自分の人生を他人の手に渡さないための、一番の防衛策なのかもしれません。

【参照】
(*)ウェブ上のアンケート調査サイト『ウートピ世論』より。サンプル数783人(2016年10月8日現在)

文/河崎 環 写真/PIXTA